EV界の新星「BYD」のコスパ恐るべし!編集部・三橋のリアルな車購入ドキュメント
ボルボ「EX30」に試乗した編集部・三橋が次に向かったのは、EV先進国である中国が誇るトップメーカー、BYDが打ち出すSUV「アットスリー」。 ▶︎すべての写真を見る
こちらもジャーナリスト陣から、一度は見ておいたほうがいいとおすすめされた一台だ。
訪れたのは、この3月に新規オープンしたばかりのディーラー。日本市場での好調なセールス状況を受け、ディーラー網を全国に拡大中だそうで、ここ練馬もそのひとつという位置付けだ。
まずはディテールがアップデートされたエクステリアとインテリアデザインをくまなくチェック。
件のEX30がシンプル&モダンなら、こちらはスタイリッシュ&ラグジュアリーという表現になるだろうか。
「高級スポーツジムと音楽スタジオがデザインソースなんです」(BYD オート 練馬 店長・上川賢さん)という説明を聞いて納得。
確かに、アクティブで快活なムードがあり、ディテールのギミックもきわめて個性的だ(ドアマウントされたスピーカーには、ギターの弦を思わせるコードが!)。
また細かい話だが、後席のフロアにはセンタートンネルがなく、身長180cmの男性が座っても窮屈さをまったく感じなかった。コンパクトなサイズ感ながら、室内の居住性はしっかり確保できる。
この点は同社独自のEVプラットフォームならではの特性であり、その恩恵がうまくデザインに活かされているなと感じた。
内外装の確認をひととおり終えて、いざ出発。「あれ、心なしか前回よりもスムーズだな!?」。 それは2台目の試乗で慣れたからでも、錯覚でもなかった。物理ボタンを極力排すコンセプトだったEX30と違い、アットスリーはシフトレバーの動作やウィンカーを出す感覚が“普通の車”に近しいのである。
静謐な車内やパワフルな加速感、重心の低さは確かにEVのそれなのだが、極端な近未来感、違和感がない。つまりは「ガソリン車から乗り換えしやすいモデル」(上川さん)ということだ。 新しいものに興味はあっても、イチからドライブフィーリングを変えるのはどうにも抵抗がある。そんな昭和生まれおじさん世代に優しい一台であったことを特筆しておきたい。