ヘルシーなイメージが根づいた蕎麦。しかし決して「健康食」とまでは言えず…糖尿病専門医が誤解しがちな<肥満の仕組み>を解説
◆ダイエットのために朝食、場合によっては昼食も食べない 肥満のメカニズムを、世の中の多くの人が誤解しています。 たくさん食べたら太る。この認識は間違ってはいませんが、人間の太る太らないには、じつは量よりも質のほうが大きく関係しています。 決め手となるのは糖質です。脂質でもカロリーでもありません。 「ダイエットのために揚げ物を控えている」という人をたまに見かけますが、その代わりにお米や麺類をたくさん食べていたとしたら、かえって逆効果。 肥満に拍車を掛けることになってしまいます。 糖質を摂ると血糖値が上がり、インスリンが分泌され、血糖値が低下すると同時にブドウ糖が筋肉に取り込まれるのですが、ここで余ってしまった分が中性脂肪となり、脂肪細胞に取り込まれ、それによって太ります。 これが肥満のメカニズムです。揚げ物や脂身でギトギトのお肉を食べたとしても、摂取される糖質量は知れているため、みるみる太ることはありません。
◆朝食を抜くと引き起こされる悪影響 また、あくまで肥満に関係するのは量よりも質なので、太らないために食事の回数を減らすという行為も、1日の総量としてしっかり糖質を摂ってしまっているのであれば無意味です。 食事の回数を減らしても、太ります。 「時間がないから」「面倒だから」を理由に、朝食抜きをするのもやめましょう。 朝食を抜いている人のほうが太りやすく、糖尿病になりやすい(改善しにくい)という研究結果が出ているからです。 朝食を抜くと、かなりの空腹状態でその日の1食目を摂取することになります。それが血糖値の急上昇、ひいては血糖値スパイクを起こすのです。 時間栄養学という学問の領域では、それが常識とされていますし、1日2食よりも3食のほうが、体重も血糖値もコントロールしやすいことがわかっています。 食事はなるべく、3食に分けてとるようにしましょう。 ※本稿は、『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』(アスコム)の一部を再編集したものです。
矢野宏行
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