THE YELLOW MONKEY 東京ドーム公演、「演出」は音楽をどう引き立てた? 映像作家・山田健人が明かす
改修された東京ドームのオーロラビジョンも活用
いい意味で分かりやすいセットリストで、「今のTHE YELLOW MONKEYです」という感じだった、と山田は表現する。 山田:THE YELLOW MONKEYのドーム公演だと恒例の流れも含めて、例えば『悲しきASIAN BOY』や『JAM』、『ALRIGHT』、『LOVE LOVE SHOW』、『SPARK』、『ROCK STAR』など大箱映えするような楽曲はもちろんたくさんある中に、5月29日にリリースされる10枚目のアルバム『Sparkle X』から新しい楽曲が点在して入っているような感じなので、そういう意味では演出を考えやすかったというか。今回はステージの両サイドに主にカメラの絵が出るようなLEDと、ステージ中央奥に横に細長い作りのLEDが3段あって、それがモーターで上下するので、3つが1つに重なれば細長い一行のLEDにも見えるし、それが開くと正面から大きな1枚に見えるような感じの大きなLEDがあって。映像的にはすごく使いやすく、シーン的な変化、転換もあって、考えやすくやりやすいセットではありましたね。 ライブ開演前は、再結成後のTHE YELLOW MONKEYのライブの名物にもなるスタートまでのカウントダウン映像から始まり、そこから未発表の曲が流れ、観客が「なんだ、この曲は?」とざわつく中でメンバーが登場。『バラ色の日々』からライブがスタートした。 山田:まずお客さんに歌わせるという、すごくTHE YELLOW MONKEY的な粋な流れで始まり、そこから新曲の『SHINE ON』や有名曲にどんどんつながっていきました。前回の東京ドーム公演になかったのは、今、東京ドームのオーロラビジョンっていうんですか、客席の上に付いている、野球だと点数が表示されたりリプレイが流れたりするビジョンが改修されまして、めちゃくちゃデカくなったんです。それだけじゃなくて、リボンビジョンとよく言うんですけど、グラウンドと1階スタンド席の間とかにある外周をぐるっと回る細長いLEDも追加されていて、それも活用できるということでした。例えば『Tactics』や『天道虫』で、オーロラビジョンとこちらで用意したLEDのビジョンにすごい面数のカメラの映像を出したりも、初めてできたりして。おそらくアリーナ席の前のほうの人はちょっと観づらい部分があったかもしれないけど、スタンド席の人からするとすごく立体感があるというか。ドームに対してのステージって遠くに感じるんですけど、その大きなビジョンが頭上のほうに付いていることと、そこにメンバーの映像が出ることで、いい立体感や壮大さを出せたと思っています。