THE YELLOW MONKEY 東京ドーム公演、「演出」は音楽をどう引き立てた? 映像作家・山田健人が明かす
THE YELLOW MONKEYは「とにかくライブがすごい」
今回の東京ドーム公演の演出について山田が語り始める。 山田:今回はなぜ前回のライブから時間が空いたかというと、30周年のドームツアーを終えた後、ソロで活動をされていた中で吉井さんの病気があって、久しぶりのライブだったので、そういう部分の影響を受けたセットリストだったと思います。例えば、2、3曲やってからドラムのANNIE(菊地英二)さんとベースのHEESEY(廣瀬洋一)さんのセッションだったり、ギターのEMMA(菊地英昭)さんのソロの時間があったりするような、ゆったりとした(構成で)。いつもだと4、5曲やって、しかも走り回って転げ回ってっていうようなセットリストもあったと思うんですけど、3曲くらいに1回で曲間があったり、ドキュメンタリー映像を流したりするセットリストでいくという話にはなっていました。 山田は「それはポジティブなことだと思う」と振り返り、「メンバーの体力的な懸念があるということではないんですけど、新しいチャレンジっていうことですよね」と続ける。 山田:そういう意味では今まで以上に演出に対する負荷は多くかかったと言っても過言ではないと思っているというか。これもポジティブな話で、彼らはバケモノなんですよね。すご過ぎるから。パフォーマンスももちろん楽曲もいいし。そんなことを僕の口から出すのも大変おこがましいくらいの伝説的ロックバンドだと思うので。普段、照明やら映像やら、良い作用をしていることもたくさんあるとは思います。前回のドームツアーでやった『球根』の演出とか、いくつもTHE YELLOW MONKEYの楽曲に演出みたいな要素が加わることでもっと感動的で壮大なスケール感で、深いところで楽曲をお届けできている瞬間はありましたけど、それがなくたってライブとかも完璧ですし、とにかくライブがすごいんですよ。だけど、今回に関してはそういう思いのこもったライブで、それがネガティブではなく、ここから再出発だっていうニュアンスが伝わるようなMCや楽曲の選び方があったということは、観てくださった方は分かると思います。映像や照明、メンバーの立ち位置でライブをさらに良くしていく、それはライブ作りにおいては当たり前のことなんですけど、今回はもっと必然性があったと個人的には思っているので、緊張感はめちゃくちゃありました。