【ソフトバンク】山川穂高2年ぶり30号「休みという感覚はない」日課のスイング欠かさず
<ソフトバンク5-8日本ハム>◇4日◇みずほペイペイドーム ソフトバンク山川穂高内野手(32)が、自身2年ぶりとなる30本塁打に到達した。1点リードの3回、先頭で迎えた打席。日本ハム山崎の球速86キロのスローカーブを狙いすましたように強振すると、倍速近い164キロの打球速度で左翼テラス席に運んだ。両リーグ最速の30号ソロだ。 「打ったのはカーブ。うまく拾うことができました。追加点となるホームランになってよかったです」。初球も89キロのカーブだった。仕留めきれずファウルとなったが、2球同じ球を打ち損じることはなかった。初回の今宮、栗原に続く主砲の節目の1発で、チームの通算本塁打数も両リーグ最速100号となった。 30発超えは自身4度目。だが、今季は山川にとってひと味もふた味も違う感慨がある。昨オフ、FA権を行使し、西武からソフトバンクに移籍。昨季は不祥事もあって、17試合の出場にとどまった。右の大砲として大きな期待を寄せられる新天地で、大きな重責とも戦った。3・29開幕戦で移籍1号。順調に本塁打数を伸ばしたものの、6月に入ると0本塁打の絶不調。それでも「日課」のスイングは欠かさなかった。「僕の中では365日、休みという感覚はありませんから」。7月から調子が徐々に上向くと、8月は自身最多タイとなる月間11本塁打と打ちまくった。 好調のバロメータは納得の打撃に加え、疲れがピークとなる夏場に痩せない体だ。「僕は夏は痩せないんですよ。今も増えていますから」。アーチ量産の8月には公称103キロの体重が110キロ超にまでビルドアップ? していたほどだ。 チームは9回に大量6点を失い、痛恨の逆転負け。優勝マジックは「15」のまま足踏みとなったが、頼れる大砲の9月初アーチ。さらにチームを勢いづけてくれるはずだ。【佐竹英治】 ▼山川が両リーグ30号一番乗り。ソフトバンクで両リーグ最速30号は05年松中以来19年ぶりだが、山川にとっては西武時代の18、19年に次いで5年ぶり3度目。両リーグ30号一番乗りの回数は王貞治(巨人)の9度が最多で、パ・リーグの選手で3度は中西太(西鉄)野村克也(南海)ローズ(近鉄)中村剛也(西武)の4人に並ぶ最多回数となった。また、2球団で両リーグ最速の30号は、96年中日、07年楽天で記録した山崎武司に次ぎ2人目。 ▽ソフトバンク今宮(1回1死走者なしで左翼に5号ソロ)「フルカウントだったので、とにかく1球でも多く投げさせることを考えました。うまく反応してホームランと最高の結果になってくれて良かったです」 ▽ソフトバンク栗原(1回、今宮に続いて右翼に16号ソロ)「(今宮)健太さんのホームランのいい流れに乗って、思いきっていくことができました」 ▽ソフトバンク大関(6回2安打2失点も自己最多8勝はならず)「初回に先制点を取られてしまいましたが、すぐに逆転していただき、守備でも何度も助けてくれた野手の方には感謝しかありません。次の登板に向けてもっと状態を上げられるように頑張ります」