福田正博氏 世界で勝つために「最終的には日本人監督を」
決勝トーナメントの戦いが繰り広げられているサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会。残念ながら日本はその舞台にはいない。攻撃的なサッカーを掲げながら、W杯という大舞台で「自分たちのサッカー」を十分には発揮できないまま、グループリーグで敗退してしまった。日本はこれからどんなサッカーを目指して、どう戦うべきなのか。元日本代表のサッカー解説者、福田正博氏に聞いた。
元メキシコ代表監督のアギーレ氏が取りざたされている次の日本代表監督人事。福田氏は「何年か前から日本人はメキシコのサッカーを模範にするべきではないかという論争が日本の中では根強くある。メキシコのような、パスをつなぎながらのスピーディーなサッカーが向いているのではないかということでの、アギーレさんという選択だと思う」と分析する。 しかし、日本が将来的に世界で勝っていくためには、日本代表の監督は日本人がやるべきだと思う。選手たちはやっと世界の仲間入りができるようになってきた。次は指導者。指導者が世界に追いついていく必要がある」 W杯は今回で20回目だが、優勝経験があるのは8か国のみ。その8か国はすべて自国民の監督で戦った。こうした国ではサッカーが文化として定着し、選手だけでなく、指導者も含めたサッカー全体のレベルが高いと福田氏はいう。「8か国に関しては(サッカーが)その国でナンバーワンのスポーツ。日本もそういう風になっていかなければ、なかなかW杯で勝っていくのは難しい」。W杯のような大きな舞台になると、監督にも国際経験が必要になってくる。そういう意味で「海外でプレーした選手が監督になっていくのが理想かもしれない」という。
福田氏が日本人監督を推す理由は別にもある。福田氏は言う。「(外国人監督は)最後のメンタリティのところの何パーセントかの部分を引き出すことが難しいのだと僕は思っている」。 福田氏自身も何人もの外国人監督の下でプレーした経験を持つ。その上で、ザッケローニ監督も日本のことは理解しているはずだが「最後の最後のところで日本人のメンタリティを理解できないところは絶対あると思う」と指摘する。例えば、イタリア人は練習が終わればすぐ帰るが、日本人は終わった後に練習したがるし、休みを与えても練習する。そういう細かい部分での日本人のメンテリティは外国人には理解できないという。 「ちょっとしたところだが、最終的に勝敗を分けるときに、そういうところの差が出てくるのかなと思っている。最後の数パーセントのところは日本人の方が引き出せる」。