「アジア屈指のコーヒーイベント」にコーヒー屋が潜入。最新のコーヒー業界を調査
世界中のコーヒー業界関係者や商品が集結する、アジア屈指のスペシャルティコーヒーイベント「Specialty Coffee Association of Japan(以下、SCAJ)」。 【全画像をみる】「アジア屈指のコーヒーイベント」にコーヒー屋が潜入。最新のコーヒー業界を調査 2024年で19回目を迎える「SCAJ2024」は、10月9日から12日の4日間にわたり、東京ビッグサイトで開催された。
盛り上がりを見せるコーヒーシーン
かつてはバイヤー向け展示会の要素が強かったSCAJだが、年々一般来場者の割合も増加している。 2024年の来場者数は、昨年の6万9201人を上回る、7万5217人と過去最高を記録した。 初日は平日にも関わらず一般客の姿も多く見かけ、コーヒー文化のさらなる広がりが実感できるイベントとなった。 一方で、コーヒー業界は多くの課題にも直面している。生産農家の賃金問題や人手不足、そして気候変動による生育環境の悪化、いわゆる「コーヒーの2050年問題」などが挙げられるが、会場ではそうした課題に対する業界の取り組みも数多く見られた。
生産国と共に歩むコーヒー業界
中南米・アフリカ・東南アジアなど、世界の主要なコーヒー生産国は、国ごとにブースを出店している。 特に、近年日本でも流通が増加している中国や台湾のブースには、多くの来場者が足を運び、アジア全体でのコーヒー市場の成長が感じられる展示となっていた。 ブラジルやエチオピア、グアテマラなどの伝統的なコーヒー生産国では、地域ごとの特色を活かしたフレーバーの違いを強調し、生豆販売や商談も積極的に行っていた。 特に印象深かったのが、アナエロビック(嫌気性発酵)やインフューズドといった特殊な精製方法のコーヒー豆の増加だ。これらのコーヒー豆は、従来と比べてフルーツやハーブのような風味をより強く感じられることから、近年国内外で人気を博している。 こうした精製方法には高度な技術と設備が必要だが、付加価値をつけることで、農園とロースター双方にとって生豆の価格を引き上げる効果があるとして注目されている。 日本全国のマイクロロースターやカフェが集結する特設エリア「Coffee Village」でも、特定の国や地域、さらには農園に限定したコーヒー豆を扱う店舗が増加していた。 農園との強固なパートナーシップを築き、相互協力で労働環境や品質を向上させる持続可能なコーヒー生産の流れが、今後さらに発展していくことが期待される。