商品のアピールポイントもAI自ら分析 AIアバターによるライブコマースで売り上げ5倍の企業も【WBS】
SNS上でライブ配信をしながら、商品を売る「ライブコマース」。このライブコマースをめぐり、新たなサービスがスタートしました。登場するのは、人ではなく、AIを使ったアバターです。AIによるライブコマースには、どんなメリットがあるのでしょうか? EC(ネット販売)の支援などを行う「エニーマインドグループ」。 社内で行われていたのが、商品を宣伝するための撮影です。女性が、歯を綺麗にする商品の特徴などを丁寧に説明していきます。その撮影した動画データをもとに、女性そっくりのアバターを作成。さらに、生成AIを使うと、先ほど撮影した女性とそっくりのアバターが自動でしゃべります。 「口元の動き、イントネーション・発音を読み込んでいてナチュラルに仕上げている」(「エニーマインドグループ」の十河宏輔CEO) エニーマインドグループでは、AIによるアバターがライブ配信をして商品を売る新サービス「Any Live」を25日からスタートさせました。ライブ配信中に客からの質問が来た場合でも、AIアバターがすぐ反応して答えてくれます。 さらに、どういう表現で商品が売れたかなど分析し、商品のアピール方法もアバターが選択して行うといいます。 「ユーザー・消費者に対して商品の良さが伝わっていくのかAIが考えていく」(十河CEO) この「Any Live」は現在、英語や中国語に加え、インドネシアやタイなど東南アジアの言語を中心に7言語で対応。今後、日本語の機能も追加する予定だと言います。
このAIアバターによるライブコマースを早速利用しているのが、都内にある化粧品のスタートアップ企業「エヌアイエル」です。頭皮などへの刺激を抑えながら、髪の毛を黒くするという植物由来の成分を発見し、それを使ったシャンプーなどを販売しています。 「白髪は日本人だけの悩みではなくて、アジア全体、特にアジア系の黒髪圏と言われる。黒髪圏の人全体の大きな悩み」(エヌアイエルの佐藤正晃社長) エヌアイエルは日本のみならず、中国や台湾などでも特許取得済みですが、社員数がおよそ10人と少ないため、海外販売の強化が課題でした。そこで、この9月から試験的に導入したのが、エニーマインドグループが提供するAIによるアバターです。現在、タイ、マレーシア、ベトナムの3カ国を対象にライブ配信を行っています。 「AIだと24時間働くことができる。時間問わず使えるのは非常に大きい」(佐藤社長) 特に力を入れるタイ向けには、実際にタイ人のインフルエンサーを雇い、AIアバターを作成。そのAIアバターでライブ配信をすると、売り上げが以前に比べ5倍近く増えたといいます。エヌアイエルでは、今後もAIアバターを使って販売するエリアを拡大したい考えです。 「もっと外にわれわれの目を向けて、テクノロジー企業と組むことによって東南アジア、もしくは世界に進出できる」(佐藤社長) ※ワールドビジネスサテライト