ドイツの空飛ぶクルマ開発企業「リリウム」が破産 中国・深圳で商用運航目指すも、事業資金が枯渇
■独特の設計が敗因か 空飛ぶクルマの業界関係者の間には、リリウムの資金枯渇は同社が破産に至った表面上の理由に過ぎないという見方がある。事業が行き詰まった真の要因は、リリウムが選択した技術的アプローチが冒険的過ぎ、商用化の見通しが立たなかったことにあるというのだ。 リリウムが開発していた「リリウム・ジェット」は、機体前後の翼の上に小型の電動ダクテッドファンを30台も並べた独特の設計を採用。同社によれば、乗客6人と操縦士1人が搭乗可能で、航続距離は最大155マイル(約249キロメートル)に達するとしていた。
だが、これほど多数の電動ファンを稼働させると、離着陸時の電力消費量が大きくなる。そのため業界内では、既存の電池技術を利用する限り、リリウムが主張する航続距離は達成不能との分析が主流だったという。 (財新記者:方祖望) ※原文の配信は10月25日
財新 Biz&Tech