半導体材料の生産量3倍に…高純度化学研究所、30億円投資で新工場
高純度化学研究所(埼玉県坂戸市、宝地戸道雄社長)は、埼玉県川越市に半導体向け材料の生産工場を新設する。総投資額は約30億円。今月完成し、2025年上期(4―9月)に本格稼働する予定。新工場の稼働により、将来的に生産量を最大3倍に引き上げる。 新工場の「川越工場」は鉄骨2階建ての工場と福利厚生施設、付属棟で構成し、延べ床面積は約3754平方メートル。主に半導体用の材料を量産する。製造機械の新規導入による生産ライン拡充のほか、分析装置やクリーンルームを設置。原料受け入れから製造、品質保証、発送まで一貫体制で生産できる。 同社は薄膜材料のスパッタリングターゲットや高純度金属、無機材料などを研究開発・製造・販売し、中でも半導体向け材料は今後も堅調な需要拡大を見込む。このため従来は半導体材料を生産してきた東松山工場(埼玉県東松山市)に加え、新工場を建設して生産エリアを倍増、供給能力を向上する。新工場は同社三つ目の生産拠点になる。 宝地戸社長は「最先端半導体デバイス向けの材料の安定供給および、次世代半導体デバイスに向けた材料の研究開発拠点としていきたい」と期待を寄せる。