何時がベスト? 良質な睡眠につながるマグネシウムの摂り方
潜在的なマグネシウムの睡眠効果
・筋肉の弛緩:マグネシウムについて知られていることの一つ、それは筋肉の働きにおける役割。アラバマ大学、北アラバマ大学、セントラルワシントン大学による研究では、マグネシウムが筋肉パフォーマンスのさまざまな面においてプラスの効果をもたらす可能性があることが分かった。「総合的に、マグネシウムには安眠するために不可欠な筋肉の弛緩を促す効果があります」とイウさんは話す。 ・不安障害の改善:マグネシウムには、就寝前の不安な気持ちを落ち着かせる効果も期待できます、と話すイウさん。「マグネシウムは、脳を落ち着かせる神経伝達物質であるギャバ(ガンマアミノ酪酸)の調節に役立ちます。ギャバは本質的に脳の活動を抑制するので、眠りにつきやすくなるのです」と彼女は説明する。さらに、マグネシウムにはメラトニンの要素もある。「マグネシウムは、トリプトファンがメラトニンに変換するのを助けます。メラトニンは、寝る時間がきたことを脳に知らせるホルモンです」
睡眠に最適なマグネシウムの種類
クリーブランド・クリニックは、グリシン酸マグネシウムが好ましいと述べている。ある研究でグリシン酸マグネシウムがほかのマグネシウムより胃もたれを起こす可能性が低いことが分かっており、これが理由の一つだそう。グリシン酸マグネシウムが手に入らない場合はクエン酸マグネシウムを探しましょう、とイウさんは語る。 「一般的に、クエン酸塩、テオン酸塩、グリシン酸塩などの有機マグネシウム塩、そして塩化マグネシウムは、体によく吸収されます」と説明するウォレス博士。「酸化マグネシウムは、市販のなかでもっとも一般的なマグネシウムですが、体にあまり吸収されません」
睡眠のために必要なマグネシウムの摂取量
睡眠のために具体的にマグネシウムをどれくらい摂取すべきかを判断する研究はあまりないけれど、一部の医師はサプリを摂取する場合就寝の30分前に摂ることを推奨している。睡眠やそれ以外の目的でマグネシウムを摂取する際の摂取量については、食事内容、年齢、性別、そのほかの要因によって変わるため、必ず医療提供者に相談して適量を確認しよう。 「日本人の食事摂取基準」によると、一日に摂取すべきマグネシウムの推奨量は以下の通り。 ・成人女性:270~290mg ・成人男性:340~370mg 睡眠のために摂取する量に関係なく、サプリ単体によるマグネシウムの総摂取量は350mgを超えないようにすること。