西武文理大、福島・楢葉キャンパス設置へ 初のサテライト、26年4月にも
西武文理大(埼玉県狭山市)が、楢葉町にサービス経営学部のサテライトキャンパス「楢葉キャンパス」を設置する方針であることが14日、分かった。2026年4月の開校を目指しており、来年1月の理事会で決定する見通し。 大学を運営する学校法人文理佐藤学園の関係者が14日、楢葉町で方針を示した。楢葉キャンパスの利用学生は各学年20人程度を想定している。空き倉庫を改修し、新たな拠点にする民間事業「ならはサードプレイス」(仮称)内に設置する予定だ。 同大初のサテライトキャンパスで、浜通りでの実践と実習を盛り込んだ授業などを想定している。学生がオンラインまたは対面での受講を選ぶ「ハイフレックス型」とする方針で、学生は楢葉町に滞在しながら狭山キャンパスの授業を受けることも可能だという。楢葉キャンパスでも授業を行う予定で、狭山市と楢葉町を毎週バスで結ぶことも計画している。 楢葉キャンパスの設置を担当するサービス経営学部特任教授の斉藤隆秀さん(51)は「進学や就職による地方からの若者の流出を抑止し、新しい定住促進モデルを形成したり、若者の定住率向上などにつなげたい。福島の復興や未来に必要な人材を『地産地消』できれば」と語った。 文理佐藤学園が小学校や中高一貫校を運営している経験を生かし、将来的にはインターナショナルスクール機能を備えることも視野に入れる。斉藤さんは「福島国際研究教育機構(エフレイ)とも連携を図りたい。楢葉で過ごす学生を増やしたい」と話した。
ベンチャーや飲食店も
楢葉キャンパスが入る予定の新たな交流拠点「ならはサードプレイス」(仮称)には、高齢者の認知機能や運動機能の低下「フレイル(虚弱)」対策に取り組む東北大発ベンチャー企業や飲食店なども入居予定。楢葉町井出で来年9月の開所を目指している。 「働く・学ぶ・遊ぶ・交流する・運動する」が融合し、「誰もが自由につながれる施設」がテーマ。楢葉町で「おかしなお菓子屋さんLiebe(リーベ)」を経営する横須賀直生さん、同町の採用支援サービス「サイドストーリー」社長の渡辺俊文さんがプロジェクトの共同責任者を務める。 リーベは店舗を移転しカフェ・レストランを併設する予定で、来年2月19日からクラウドファンディングを始める。横須賀さんは「たくさんの人たちに利用される施設にしたい」と話す。
福島民友新聞