中国教育部、子どもの目の健康のガイドライン発表
【東方新報】中国教育部は子どもの目の健康を守ることを目的とした新たなガイドラインを発表した。このガイドラインは、スクリーンを見る時間の制限と十分な睡眠の確保を強調している。 今月、国家衛生健康委員会および国家疾病予防管理局と共同で発表されたこのガイドラインでは、小学生は電子機器に費やす時間を授業時間の30パーセント以内に抑え、1日最低10時間の睡眠を取るべきとしている。この提言は、中国の子供や青少年の間で近視率が上昇していることへの対応策として発表されたものだ。 政府の統計によると、中国の若者の半数以上の52.7パーセントに近視が見られ、それには6歳児の14.5パーセントと小学生の3分の1以上が含まれている。 近視がこれほど広がった背景には、屋外での活動不足、大量の宿題、長時間のスクリーン凝視、目のケア不足が影響していることは研究により明らかにされている。近年、中国ではこの問題に対処する様々な政策が導入されており、今回のガイドラインでは、子どもたちの視力障害を軽減するための提言が示されている。 ガイドラインでは、視覚疲労の軽減のため、毎日2時間の屋外活動(うち少なくとも1時間は運動)を行うことを推奨している。教師に対しては、定められた授業時間を超えて授業することを避け、生徒に休憩を取らせ、遠くを見る時間を確保するよう指導されている。 学校に対しては、視覚の健康に関する国家基準に従って、座席や照明を含む教室環境の改善を求めている。学校は各教室に視力検査表を掲示し、1日2回の目の体操を行い、児童の視力を定期的に検査することが義務付けられた。 また、教育部は「ダブル・リダクションポリシー」の遵守も呼びかけている。これは、宿題の量を制限し、課外の個別指導への依存度を減らすことで、生徒の負担を軽減することを目的とした政策である。 例えば、小学校の教師に対して標準カリキュラム以外の内容を教えることを禁じ、オンライン授業は30分を上限とし、10分の休憩を義務付けている。 さらに生徒の視力保護のため、デジタル機器の使用を授業時間の30パーセント以内に制限したほか、宿題は小学1年生と2年生には筆記課題を課さないこととし、それ以上の学年の課題は1時間以内に制限している。 保護者に対しては、家庭でのスクリーンを見る時間を制限し、屋外での活動を優先し、学校と緊密に連携して、子どもの視力を監視し保護するよう呼びかけている。 教育部は、地元の教育委員会に対しても、健康診断の強化、目のケア教育の推進、視力モニタリングプログラムの実施を求めている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。