FRBのバー副議長が退任へ、金融規制強化を主導…規制緩和目指すトランプ氏との混乱回避か
【ワシントン=田中宏幸】米連邦準備制度理事会(FRB)のマイケル・バー副議長は6日、2月28日付で退任する意向を表明した。金融規制の強化を主導しており、規制緩和を目指すトランプ次期大統領の就任を前に、役職を巡る混乱を回避した可能性がある。
バー氏は声明で「金融規制を担当する副議長ポストを巡る争いのリスクは、FRBの使命の妨げになる可能性がある」と説明した。副議長の退任後もFRB理事職は続ける。
バー氏は2022年7月から副議長を務め、任期は26年7月までだった。米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏の側近がバー氏を副議長から解任することを検討していたという。
バー氏は23年3月以降、シリコンバレー銀行(SVB)など米中堅銀行が相次いで経営破綻したことを受けて、銀行の監督・規制の強化を進めてきた。