東光さん(田辺)大臣表彰 障害ある子に乗馬体験、文部科学省、和歌山県
障害者の生涯を通じた学習支援に功績があったとして和歌山県田辺市下三栖の東光昭勇さん(76)が、文部科学省の大臣表彰を受けた。障害がある子どもが馬との触れ合いを体験する活動を長年続けてきたことが評価された。「子どもが好きで始めた。もらえて光栄」と喜んでいる。 【馬の熱中症対策に気配り 和歌山・田辺祭で巡行、世話人の東光さんの記事はこちら】 東光さんは乗馬好きが高じて33歳の頃から馬を飼い始め、5年ほどたって闘雞神社(田辺市東陽)の例大祭「田辺祭」に馬を貸し出すようになった。芳養八幡神社(同市中芳養)や須賀神社(みなべ町西本庄)の馬駆け神事にも馬を提供。地元の子どもたちに触れ合いを楽しんでもらうこともしていた。 それらの活動を知った上富田町岩田の県立はまゆう養護学校(現南紀はまゆう支援学校)の関係者から1996年ごろ、馬との触れ合いに協力してもらえるよう要請があり、東光さんは「子どもが好きで、来てくれるのが楽しみ」と快く応じた。 それをきっかけに東光さんは、2000年から3年間、県のアニマルセラピーモデル事業として同校で実施された授業外活動にも協力。04年からは障害がある子どもたちの休業日の居場所として始まった「いきいき交流教室」に協力し、馬やポニーに乗ったり、餌やりなどで触れ合ったりする体験活動を続けてきた。子どもを受け入れるに当たり、馬を落ち着かせるなど安心して参加できるよう工夫した。 学校関係者によると「重度の身体障害で車いすでしか移動できなかった子どもが、手の支えが必要とはいえ自力で歩けるようになったり、自閉症の子どもがやっとの思いで馬の背中に乗れるようになったりして、数々の感動があった」という。 東光さんは「子どもたちの笑顔を見るのがうれしかった。私も一緒に感動し、楽しませてもらった」と話す。今後も要請があれば続けたいという。 10日に南紀はまゆう支援学校で表彰状の伝達式がある。
紀伊民報