実は専用ではない破線矢印 従っていても事故の場合は過失責任が?
帯広と音更を結ぶ十勝大橋付近の交差点は、交通量が多い主要幹線道路と接続するため右左折や直進の専用レーンが複数設けられている。ただ、その路面表示は「白線」「黄色線」と色別されていたり、進行方向を示す矢印が「実線」「破線」だったりと複雑だ。表示に従わなかったり、車線を迷う車も目に付くこともある。同橋付近交差点の路面表示の意味や走行方法について調べた。 十勝大橋の帯広側たもとの交差点は、路面表示が4方向すべて異なる(図参照)。(1)大通から進入する道路は黄色の線で車線が分かれて進行方向を示す矢印表示(2)西2条は白の実線で右折禁止の標識(3)西3条は大通と同じく黄色の実線と矢印だが、直進の矢印がない-といった具合だ。 帯広署の堺玄州交通1課長は「黄色の実線は公安委員会が定めており、車線変更も禁止される。特に2車線から右左折できる交差点に多い」と説明する。白の実線が引かれた西2条は「追い越しは禁止だが、進行を妨げない範囲で車線変更はできる」とする。 帯広から音更へ向かう3路の矢印が実線であるのに対し、(4)音更から帯広に入る道路の矢印表示は破線だ。この破線表示は「道路管理者(国道なら国、道道なら道)が混雑回避のために示したもので、守らなかったからといって直ちに違反になるものではない」(堺課長)。 ただし、道交法第34条は右左折の際に側端に寄ることを義務付けており、直進レーンから右左折した場合は違反となる。一方で、右左折レーンから直進した場合は「違反にはならないが、事故を起こした際に不利になる可能性がある」と堺課長。 自動車保険などを扱う損害保険ジャパン北海道保険金サービス第六課(帯広)によると、「一般的に矢印に従って運転すると予測されるため、事故の相手から指摘される可能性は高い」。そのため、違反ではなくとも事故の過失割合が高くなる恐れがある。 十勝管内には、一般に専用レーンと思われているが実際には法的効力のない表示が多くあり、堺課長は「交通量が多く混雑する道路以外は、基本的には破線矢印の場合が多い」とする。 直進矢印に従って通行している際、右左折の指示に反して直進してきた車と接触した場合にも、矢印が破線だった場合は過失となる可能性が高いため、交差点進入時には細心の注意が必要だ。(柳田輝)