あなたの「働きづらさ」を救ってくれる人はたくさんいる! 「就労支援」に救われたASD女性の真実
支援を受けて成功した例
C さんは現在20 代の女性です。大学卒業後、介護関係の仕事を希望し、介護施設に就職。しかし、作業のペースが先輩職員と合わず、そのせいでたびたび叱責され、職場が自分に合わないと感じて、退職しました。 その後、別の施設に勤めましたが、そこでもうまくいかずに退職。自信を失い、精神的な不調を感じて病院へ行きました。C さん本人はうつ病と考えていましたが、診断は発達障害のASDでした。C さんは診断を聞き、戸惑いました。 病院で発達障害の冊子をもらい、読んでみると、確かに自分に当てはまる部分が多くありました。冊子には支援機関の情報もあったため、相談してみることに。 C さんは仕事の悩みを就労移行支援事務所に相談。支援者のすすめで、就労移行支援を受けることにしました。食品工場などで実習をおこない、自分に合う仕事を探していきました。 数回の実習をへて、C さんは対人折衝の多い介護施設よりも、食品などの工場のほうが自分には合うと感じました。その実感をもとに就活をして、工場での就職が決まりました。 このように、自分に合う仕事を探すためには、考えたり相談したりするだけでなく、職場で体験や実習をすることも重要です。実際に仕事をしてみると、自分の得意なことや課題がわかります。その結果から、現実的・具体的な適職を探すことができるのです。
梅永 雄二(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)