【加部究のフットボール見聞録】鹿島の白崎凌兵は「気配りができる王様」だ
「あんなにゲームを読めるヤツはいない」
今季、清水から完全移籍で鹿島に加入した白崎。20節終了時点で12試合・5得点とハイパフォーマンスを見せている。(C)SOCCER DIGEST
清水の王様(10番)は気配りの人だった。 気配りができるのは、誰よりも広く景色を捉え、刻々と変化していく民意を確実に把握しているからだ。 FC東京U-15むさし時代に指導をした山口隆文氏(現JFAインストラクター)は、まだ身長が伸び切らない未来の王様の価値を見抜いていた。 「あんなにゲームを読めるヤツはいない」 そう言ってユース昇格を推した。 だが個で切り拓き豪快なゴールを決めてくる才能は分かりやすいが、「読める」→「気配り」→「最適解を導く判断力」の価値は、周りの力が伴って初めて輝く。結局、FC東京はユースへの昇格を見送り、白崎凌兵は山梨学院高へ進んだ。 気配りの人は気苦労も多い。白崎は周りにストレスなくプレーさせる選手だ。自分のパスに「もっと早く動き出せよ」とメッセージを込める中田英寿氏や、富山時代のチームメイトで自
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