安倍氏と石破氏「国民投票で2分の1」改憲への合意形成で論戦 ネット討論会
自民党総裁選に立候補している安倍晋三首相(党総裁)と石破茂元幹事長は16日夜、インターネットの討論会(主催:niconico、協力:Yahoo!ニュース)に出演した。憲法改正への合意形成のあり方について、石破氏は「国民世論を分断するようなことがあってはならない。できれば6割、7割の賛成をいただきたい」と述べたのに対し、安倍首相は「憲法に規定がある。ルールを変えてハードルを高くするのは間違っている」と反論した。 【動画】自民総裁選「安倍vs.石破」ネット討論会 憲法や地方創生テーマ
●憲法改正
憲法改正に向けた手続きでは、衆参それぞれの本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決されると憲法改正が発議され、国民投票で賛成が投票総数の2分の1を超えた場合、改憲案が国民に承認されたものとされる。 石破氏は「(憲法改正は)多くの国民、多くの政党が賛成するものを優先したい。(国民投票が)『51対49』ということは避けるべき。やはり6割、できれば7割近い賛成をいただきたい。丁寧に丁寧な説明の後で国民投票にかけなければならない。3分の2を国会で取ったからということだけではない」とけん制した。 安倍首相は「憲法改正は最後は国民が決める。ある段階では政治家が決意して委ねるべきではないか。6割7割の賛成というのはそう簡単ではない。どう判断できるのか」と指摘。石破氏が共産党も賛成すべきと語った事に触れ、「憲法には指一本触れさせないというのが共産党。共産党も賛成というのは難しい」と述べた。 9条以外の項目では、石破氏が憲法の前文に基本的人権の尊重が明記されていないことに「残念なこと」として、「きちんと書き込みたい」と提案した。安倍首相は、昨年の衆院選で自民党が掲げた憲法改正の4項目に絡み、教育無償化について「教育についての国の基本的な考え方を書き込むべき」と述べた。
●安全保障
安全保障に関連して、島しょ部防衛と日米同盟の考え方について、安倍首相は「尖閣、島しょ。まずは自分たち自身の力で守り抜かなければならない。そういう決意のない国をどの国も守ってくれない。その上で米軍が共同対処する。そうなれば相手の国は勝ち目はないとなっていくんだろう」と述べた。 自衛隊の何を強化すべきかについて、石破氏は、かつて防衛庁長官時代に「なぜ日本には海兵隊がないのか」と尋ねたことを紹介。「陸海空の自衛隊では瞬時に対応できない」ような領土を守るための対応に海兵隊は必要だとの考えを示した。現在は、海兵隊との名こそ名乗っていないが「水陸両用の装備を持っている」とした。 ネット討論会では「憲法改正」「安全保障」のほか、「規制改革」「地方創生」などについても議論を戦わせた。