豪中銀、直ちに金利変更する必要ない 変化に備えも=議事要旨
[シドニー 19日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は19日公表した11月4─5日の理事会の議事要旨で、1年にわたり据え置いている金利を直ちに変更する必要はないが、見通しの変化に応じて対応できるように備えることが重要だという見方を示した。 理事会は同会合で、現在4.35%にある政策金利について、引き下げと引き上げのほか、長期間にわたり据え置くシナリオを改めて議論した。 シナリオの一つとして、インフレの急減速は利下げの根拠になる可能性があるが、それが持続可能であると確信するには好ましい四半期インフレ指標を複数回確認する必要があると指摘した。 市場は来年の5月までの利下げは完全に織り込んでいない。2月の利下げ確率はわずか38%となっている。ただ、エコノミストの大半は依然として2月の利下げを予想している。 中銀は適宜対応が必要になるさまざまなシナリオを検討した。過去の情報に過度に依存して経済状況の変化への対応が遅れることを避け、将来を見据えた姿勢を維持することが重要だとしている。 現在の金融政策のスタンスが十分に抑制的ではないと判断した場合、引き締めが必要になるかもしれないとし、信用の伸びや銀行の融資姿勢、資産価格などのデータを注視する方針を示した。 インフレ率が目標範囲内に戻る時期は2026年になると予想している。第3・四半期のインフレ率は政府の電気料金の値下げなどにより2.8%に鈍化したが、基調インフレ率は依然として3.5%となっている。 政策変更を巡るその他のシナリオとしては、消費と労働市場を巡る動向が挙げられる。銀行のカード使用状況データによると、減税措置にもかかわらず消費者支出は予想を下回っている。一方、労働市場は予想以上に堅調で、失業率は約半年間にわたり4.1%で推移している。 生産性の伸び悩みによって経済の供給能力が想定よりも大幅に制約される場合、金融政策スタンスの引き締めが必要になる可能性があると指摘した。米経済政策の大きな変化と中国の景気刺激策も注視しているとした。