火災から5年、ノートルダム大聖堂が12月8日から一般公開を再開。2000人超の職人が修復に従事
パリのノートルダム大聖堂が火災に見舞われてから5年が経ち、13世紀に建てられた歴史的建造物の再建工事が完了した。一般公開は12月8日から再開され、当日には再建を記念したカトリック教派のミサが2回執り行われる予定だ。 【写真】パリで行きたい美術館18選 2019年4月の火災の後、8億4600万ユーロ(現在の為替で約1330億円)の寄付金が150カ国にわたる34万人の人々から集まり、寄付金は再建工事のほか、記念碑の修繕にも割り当てられた。この工事には2000人以上の職人が関わり、建築資材には高さ27メートルにもなるオークの倒木も含まれたほか、1300平方メートルの石材が取り替えられた。また、8000本に上るパイプオルガンのパイプ清掃、オーク製の椅子1500脚分の加工、大理石のモザイクやステンドグラス、フレスコ画の修復やメンテナンス、内部の汚れやすすの清掃作業など、途方もない数の作業が行われた。 今年の11月には、火災で一部が焼失した北の鐘楼の修復が完了し、本格的な再開に先駆け、設置された8つの鐘が試験的に鳴らされている。 修復された最上部の尖塔部分は、炎の翼をもつ姿に変えられた雄鶏が新たに設置されている。また、尖塔の下に置かれていた十二使徒と新約聖書に登場する4人の福音伝道者の銅像は、2025年に入ってから再び配置される見通しだ。これらの像は、2019年に計画されていた修復工事によって火災発生の4日前に下ろされていたことから、すんでのところで火災を逃れていた。 フランス大統領のエマニュエル・マクロンは、CBSのドキュメンタリー番組『60ミニッツ』に出演し、次のように語った。 「800年以上前から存在していたノートルダム大聖堂は、2度の世界大戦をはじめとする数多くの戦禍を生き延びてきました。私たちの歴史を後世に残し、どういった文化が育まれてきたのかを理解し、ときには再解釈するために大聖堂の再建を実施することにしました。そして、火災から5年が経った今、それを達成することができたのです」 一般公開が再開される大聖堂には、1日あたり4万人の来場者が訪れる見通しだという。