【ジャパンC追い切り】ゴリアットはスミヨンを背に鋭く反応!半馬身先着 府中の芝との相性をジャッジ
[GⅠジャパンカップ=2024年11月24日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2400メートル] 第44回ジャパンC(24日=東京芝2400メートル)の最終追い切りが20日朝、東西トレセンでスタートし、東京競馬場では外国馬3騎がそれぞれ調整した。海外勢の大将格はGⅠ6勝を誇るオーギュストロダンだが、ここへきて今年7月のGⅠキングジョージの勝ち馬・ゴリアットへの注目も高まっている。米国人馬主のジョン・スチュワート氏が「トーキョーを征服する」「圧倒的な力を見せるでしょう」などと自信満々なのだが…。日本の馬場で通用するのか? 今週も「調教班の鬼ジャッジ」が忖度抜きで密着チェックした。 海外勢の中でも異彩の輝きを放つのがゴリアットだ。レーティングは今回の出走馬で最高となる125ポンド。4歳となった今年はキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSを中団から力強く突き抜けて快勝し、オーギュストロダン(5着)を下した。しかし、セン馬のため凱旋門賞への出走は果たせず。その後、矛先を向けたのがジャパンカップだった。 常歩(なみあし)時に左後肢を高く振り上げる「鶏跛(けいは)」という歩様が特徴的な同馬だが、それ以上に話題となっているのが、同馬の所有権の75%を保有する米国人馬主ジョン・スチュワート氏からの“宣戦布告”だ。 「解き放たれたゴリアットが競馬場を支配し続ける」 「ゴリアットはビーストであり、トーキョーを征服するためにやってくる」 「ジャパンCはゴリアットの2着探しのレースだ」 「我々は世界にゴリアットの優位性を見せるために日本へ行くのだ」 「(左後肢を振り上げる独特の歩様は)走るのが遅い競走相手を踏みつけることに慣れているからだ」 同氏はこうした“挑発”を自身の「X」を通じ、東京タワーの夜景や人々が逃げ惑う動画などとともに発信。愛馬への並々ならぬ自信がうかがわれるが、そんな“あおり発言”の数々も今回のジャパンCを盛り上げる材料の一つとなっている。 では、実際のゴリアットの現状はどうなのか。長距離輸送後、そして初となる日本滞在について、ダヴィ助手は「今朝はいつもより長めにキャンターをしました。馬の状態はとても良くて、十分リフレッシュしていましたので、いつもより長め、通常通りの調教ができました」。その言葉通りなら状態面は問題ないと言える。 注目の追い切りは、芝コースで。スミヨンを背に、帯同馬・ルノマド(キャピタルS出走予定)と併せ馬で行われた。馬場の真ん中を通った道中は僚馬を4馬身追走。楽な手応えで直線へと向かうと、促されてからはスッと反応したうえでラスト1ハロンは12・2秒をマークし半馬身先着した(6ハロン76・5秒)。 ただ、やはり気がかりなのはフットワーク。回転数の高いピッチ走法ながら前脚のかき込みが強く、切れ味というよりはしぶとく伸びてくる脚を使う、といった印象。パワーの必要な馬場がベストな走法で、消耗戦ならまだしも、高速決着となりがちな府中の芝に対応できるかという点には疑問符をつけざるを得ない。 レーティングは最高。オーナーもジャパンC制覇へ向けて怪気炎を上げているが…。日本の芝はそんなに甘くはない。
権藤 時大