<ソチ五輪>カーリング女子 初勝利を呼び込んだ小笠原のリーダー力
女子カーリングの日本代表チームが初勝利をマークした。セカンド小野寺佳歩がインフルエンザで戦線を離脱し、動揺の走っていた日本は、予選リーグ初戦の韓国戦を7-12で落とす苦しいスタート。ところが、その7時間後に行われた予選リーグ第2戦のデンマーク戦では、チーム全体が伸び伸びとしたプレーを見せ、ソチ五輪初勝利を収めた。 ぐらついていたチームを、短時間で立て直すことができたのはなぜか。そのひとつが、チームのベテランスキップ小笠原歩の絶対的なリーダー力である。実は、開幕前日の2月10日、JOCは報道陣に対して、カーリング取材に関する要望書を出していた。 その内容は (1)試合後のミックスゾーン取材では、小笠原主将以外の選手への取材はできれば短めにお願いしたい。各選手への精神的負担が大きくならないよう、自分で取材を引き受けたいとの小笠原主将の要望です。 (2)11日の韓国戦後の取材時間は、できれば短めにお願いしたい同日夜のデンマーク戦に向け、調整の時間を既に細かく設定しているためです。 というものだ。 チーム側としては、競技初日は韓国戦とデンマーク戦の2試合を行うことになっており、スタートダッシュを期するためにも、韓国戦後の時間を次の試合の準備のために有効に使いたいという考えがある。だから、取材時間が長くなるのは避けたい。 とはいえ、報道にとって初戦が非常に重要であるということを小笠原は重々承知している。しっかり報道して欲しいという思いも当然あるだろう。 そういったことを考慮したうえで、小笠原は取材陣に対してはなるべく自分が対応し、チームメートの負担を減らしたいと考えたのだ。 これで、万全を期して競技初日を迎えられるはずだった――が、要望書が出されてから、わずか20分後、今度は小野寺のインフルエンザ発症による離脱が発表された。体調不良で10日の練習を休んだ小野寺は、検査の結果、インフルエンザ陽性と診断されたのだ。