<ソチ五輪>カーリング女子 初勝利を呼び込んだ小笠原のリーダー力
4人のメンバーを固定して練習を積んできただけに、選手の離脱は痛い。しかも、重要なセカンドというポジション。しかも、インフルエンザ。選手達が動揺するのは無理のないことだった。小野寺の代わりには急きょ、吉田知那美が出ることになったが、若いうえに、翌朝午前9時スタートの韓国戦に向けては準備時間があまりに少なかった。 こうして迎えた韓国戦。日本は第5エンドまで5-4とリードしていたものの、同点で迎えた第8エンドに勝ち越されると、その後も追加点を許し、黒星スタートとなった。 出場10カ国のうち、日本より世界ランクの低い唯一の国である韓国に負けたのは手痛かった。明らかにまずいスタートだった。だが、ここで報道対応にやってきた小笠原は、現実をしっかりと見据えながら言った。 「インフルエンザにかかってしまったのはどうしようもないが、セカンドは相手のガードを崩す重要なポジションだから、その役割を重点的にやってきた彼女が抜けるというのは非常に厳しかった。アクシデントに対応できなかった」 小野寺の状況についても、小笠原が報道陣に詳細な説明をした。「練習を休んでいたが、そのときは大丈夫だという話だった。でも、後で検査を受けたところ、やっぱりダメということになった。インフルエンザということで、カーリングだけじゃなく、ほかの日本選手団に迷惑をかけるわけにはいかない」 そして、小野寺の代わりに出た吉田についてはこう語った。「緊張しているのが、目に見えて分かったが、それは仕方がない。彼女だけでなく、皆が緊張していてショットが良くなかった。良い形に近づけられるように私が背中を押してあげたいと思うが、やはり五輪には日本を代表して来ている。いろいろなミスをなくして、もっと集中するように言いたい」 韓国戦からのわずか7時間。厳しい口調でチームを引き締め、仲間をデンマーク戦勝利に導いたのは小笠原だった。世界ランク6位と格上のデンマーク戦に対し、日本はすっかり落ち着きを取り戻したカーリングを見せた。序盤からしっかりと攻め、3連続スチールに成功するなどしながら、リードを広げていく。第6エンドでは最後の一投、小笠原が素晴らしいショットで差を広げ、相手の戦意を消沈させていった。