M!LK 愛と決意を伝えたアリーナツアーを完走「今のこの5人が大好きです」10th Anniversary M!LK AREANA TOUR 2024『I CAN DRINK!』ライブレポート
「ドームへ行こう!」変わらない決意を改めて表明した締めくくり
そして、み!るきーずの「もう1杯」の大きなコールに応え、トロッコで登場した5人。サインボールを投げながら『Milky Snow』を、アリーナを一周しながら届けた。 この公演最後となるMCでは改めてアンコールのお礼を伝え、10周年の結成日に西武園ゆうえんちを貸し切ってイベントをすることを告知し、み!るきーずを喜ばせた。 それから、改めてM!LKの5人からみ!るきーずに向けてメッセージが送られた。 まずは塩﨑。「そうだなあ、なんだろうなあ……」と目を細めたあと、10年を振り返る。「最初、中学生のころ、1人で飛行機に乗って東京に来て、研究生で。レッスン場だったり、ファミレスに行ってゲームするのが楽しくて。M!LKを結成して、最初はすっごく楽しかったんですよ。全部、楽しかった」と言うが、「途中から、すごくしんどくなってきて。メンバーが変わったりだとか、ずっとライブハウスから先に進めなかったり、YouTubeをやってみたけど上手くいかなかったりして。結構グチャグチャだったんですよ」と吐露。 M!LKの活動を続ける必要があるのかと悩んだこともあった、と言い、当時の迷いを口にした。でも、4人といることで力を得る。「M!LKをやめようかと思ったときに、4人の姿を見てこの4人とずっと一緒にいたいと思いました。だからこうやって10周年でこんな大きいさいたまスーパーアリーナ、大阪城ホールで開催できるっていうのがすごく嬉しいです」と笑顔を見せた。 そして、この空間からも離れられるはずがない、と言い、「当時どうせM!LKをやめても歌って踊ってエンタメを届けたいってなるんだろうな、って思ったから」と語った。 「楽しかったな、と思ってもらえるように、頑張っています。みんながいたら僕はがんばれます。なのでこれからも、おんぶに抱っこで僕たちのことを応援してくれたらな、と思います」 そんな塩﨑の言葉に佐野は涙し、「あの……二日連続で泣くことあります?」。実は前日の最後のMCでも涙をこぼしていた。 続いて山中は塩﨑が悩んでいた時期のことを佐野とともに感じ取っていた、と振り返った。「モチベーションがゼロになったら終わりだろうな、と思っていたけど、俺らが話したり、そのタイミングでちょうどいろいろ決まったりしたんだよね。太ちゃんがやる気になってくれて、それで今の5人がある。そこがターニングポイント」と振り返る。 そして、それぞれが支え合ってやってきた、と言う。 「自分って何もできないんだな、って最近思うんだよね。昔は何でもできると思ってた。グループっていいよね。僕ができなくても5人で一つ。俺はチームが大好きだから、この5人が好きだから」と言い、本当にみんなに支えられてやってこられた、と噛み締める。「やることは変わらないし、どんどん大きくなりたいし、みんなで幸せになろう」と涙を堪えながら伝えた。 曽野は「普段さあ、ふざけてる太ちゃんが涙ぐんでたりしててずるいよ。いっつもふざけてんのにさ。裏ではいろいろ悩んでんだろうなあ、とか思ってさ」とへにょりとした表情を見せる。 「この前、10周年の取材でM!LKの歴史をとことん聞かれていく中ではやちゃんが5人から4人になったときに、解散しようかと思ってたという話を言ってて、でもまだやれるっていって新しいメンバーを募集して。今の自分がここにいるのは4人とみ!るきーずが守ってくれたからなんだな、と思ったし。俺は年下だから守ったり、そういうことできないけど……」というと「頑張るぐらいせえよ」と吉田がツッコミを入れる。 そんなツッコミを受けながらも「みんなで守ってて、ついていくから。だっこしてもらうから。これからも長いことよろしくね」と涙ながらに語った。 佐野は「あんまり言ったことないこと言おうかな、と思って。僕、芸能人なの」と言い、ここでも「嫌な入り、ありがとう」という吉田のツッコミが入りつつ、「芸能界で10年ちょいやらせてもらっているんだけど、正直、9割苦しいっすね」。しかし、残り1割について「この1割がアイドルでいる理由なんですけど、み!るきーずのみんなと話しているときとか、笑ってくれた瞬間、このメンバーといるとき」と泣き笑いの表情を浮かべる。 そして、M!LKとみ!るきーずの関係について、「親戚みたいな感じもあって……」と言い、「身内は9割の苦しさがあっても幸せにしたい」。さらに、M!LKについて、「このメンバーが集まれたことがすごいと思う。いろんなグループあるけど、メンバーを超えた関係でちょっと家族みたいな、切っても切れない縁」と言い、「で、昨日、仁人が言ってたんですよ。楽しくなきゃイヤ。でも本当にその通り。仁人が言う通り、楽しくないドームはしたくない。でも一個言わせてほしい、絶対楽しい! しんどいこともあると思うけど、見たいの、この5人でドームツアーを」。 この言葉に吉田も「行こうよ」と呼応する。 佐野は「M!LKの歴史も勝手に背負わせてもらいたいので。『8人でドーム』は言っていきたい。それと、今のこの5人が大好きです。ちょっと長男っぽいことを言うけど、ここにいるみんなの幸せを僕が背負います。僕が背負いすぎるのをわかっているから、仁人が言ってくれたんだと思うけど」と吉田への信頼感もにじませた。 4人のあいさつを聞いて吉田は「もうないよ、言うこと」と笑みを浮かべる。それから、「勇斗がちょっと前までさ、『仁人って一定のペースで生きてるよね』って。『波なくフラットに生きてるよね』って。でも俺最近、気付いたのよ。全然フラットじゃない。わりとネガもポジも言えるようになれたのよ。めちゃくちゃいろいろあったけど、みんなに見せたらみんなに影響あるんじゃないかな、と思ったし、リーダーだったし。この5人ならいけるよ、というのも本当に心から思っていたのかな?と思う」とこれまでの葛藤を振り返った。 『Winding Road』を初めて披露したときもめちゃくちゃ虚勢張ってたと思う、と言ったが、「でも、さっき大丈夫だな、と思った。『ERA』と『Winding Road』って僕らの中でターニングポイントというか、大事な曲になっているんだけど、今日、披露しててその印象を変えられた。本当に心から笑って、この曲で言いたいことは、僕らの現状じゃなくて、今そういう壁にぶち当たっている人に届ける曲に今なれた気がしたのね。それって成長じゃない?」そして、今までの曲全部がM!LKの武器になっている、と言い、「続けてよかった、と思えた」と実感を込めて口にした。 「今持っている130曲ぐらい。全部歌い続けて、どんどんみんなを笑顔にするものに使っていきたいな、と今日思ったし、本当にいいライブでした。塩﨑さん、ほんとにありがとう! 君の脳みそをホルマリン漬けにしてみたい」と絶賛。 「スタッフさんもいろんな知識、アイディアを出してくれて」と塩﨑が言い、改めてチームM!LKにも感謝を伝えた。 そして「行こう、ドーム! くっそしんどいけど、今からの道も全然しんどいけど! しんどいって言いながら行く!」と吉田が言うと、会場からは拍手が沸き起こった。 佐野も「あなた初めてドーム行くって言ったんじゃない?」と笑顔を見せると、「ドーム行く前にちょっとぎゅっとしとこ」と曽野。少し照れもあるのだろうか、でも5人のその様子は何よりの決意表明に見える。 吉田は「みんなで乗り越えていこ。俺らもしんどいときはしんどいって言おう。もし俺らがやばいな、と思うときは応援してほしい。不思議な関係性でこれからも続けていけたらな、と。来年も走り続けていくので、引き続き応援よろしくお願いします。本当に今日はいい日でした!」。 それぞれが想いをみ!るきーずに存分に伝えたあと、『Now Story』『めちゃモル』で締めくくった。 み!るきーずとの絆をしっかりと確かめ合ったM!LK。……とここで終わらないのがM!LKだ。バラエティーコーナーに突入し、アメ探しで対決だ。最下位は罰ゲームとして熱湯風呂に入らなければならないということもあり、全員が白い粉の中に顔を突っ込んで必死にアメ探し。ビリだった曽野は塩﨑と山中に連れられて、熱湯風呂へ。その熱さに身をよじらせた。が、このあと、互いに熱湯風呂に連行される展開となり、最終的には5人全員がびしょ濡れの状態に。 まさか、さいたまスーパーアリーナの会場で熱湯風呂に入るM!LKが観られるとは思わなかった。新たなことへの挑戦を続けながら、M!LKは変わらない笑顔で、み!るきーずと共に前へ進んでいく。今回のツアーではそんな未来を垣間見せてくれたのではないだろうか。 取材・文:ふくだりょうこ 撮影:笹森健一、小坂茂雄