フレイル予防に有酸素運動は効果的! おすすめの種類・頻度について
散歩や水泳などの運動は身体によいといわれますが、加齢によって起こる心身の虚弱状態「フレイル」に対しても適度な有酸素運動は改善や予防効果があるといわれます。 そこで今回は、具体的な有酸素運動の取り組み方や注意点に至るまで、鹿児島大学特任研究員で健康運動指導士の立石麻奈さんに解説していただきます。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
フレイルに有酸素運動は有効?
編集部: 有酸素運動とはどのような運動のことを指しますか? 立石先生: 有酸素運動とは、筋肉を動かす際に酸素を使う運動のことです。具体的には、長時間継続可能な軽度~中程度(楽に会話ができる~息が弾むくらい)の負荷の運動が有酸素運動になります。 有酸素運動は筋力トレーニングと異なり、運動時に持続的に呼吸を行うことで十分な酸素を体内に取り入れて細胞のミトコンドリア内で糖や脂肪をエネルギー源に変えることで運動を行います。 こういった酸素を用いて持続的にエネルギー源を作り出せる好気的な運動が、有酸素運動です。 編集部: 有酸素運動がフレイルに与える影響について教えてください。 立石先生: フレイルは、身体的側面だけでなく認知・精神的側面、社会的側面などさまざまな要因があり、「多面性」があるといわれています。 有酸素運動ではこうした多面性を有するフレイルの特徴に対し、脳の活性化や心肺機能の向上といった影響をもたらすことで、加齢に伴う心や身体の機能低下の予防・改善が期待できます。 編集部: 有酸素運動はフレイル予防に有効なのでしょうか? 立石先生: 適度な有酸素運動は心身機能を向上させることから、フレイル予防におすすめです。また、程よく汗をかきながら代謝を上げる有酸素運動はフレイル発症の原因になる糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の予防にもなります。 さまざまな運動のなかでも、ウォーキングなどの有酸素運動は無理なく取り組みやすい全身性の運動ですので、高齢者にもおすすめです。