暮らしと仕事支え60年 “長野の小かっぱ橋”金物のデパートが閉店へ 苦渋の決断…物価高が追い打ちに
特集は最後のにぎわいです。豊富な品ぞろえから「小かっぱ橋」とも呼ばれてきた、長野市の金物店が11月末で店を閉じます。市民の生活と仕事を支えて60年。閉店を惜しむ客で連日、にぎわっています。 【動画で見る】暮らしと仕事支え60年 “長野の小かっぱ橋”金物のデパートが閉店へ 苦渋の決断…物価高が追い打ちに
ずらりと並んだ包丁に鍬(くわ)などの農機具、煙突もあります。
ここは長野市東和田にある「金物のデパート 吉沢金物店」。 平日も多くの客でにぎわっています。
客: 「これガスの空き缶に穴をあけるの、あんまりないんだよね。たまたま見つけた」
調理師: 「包丁がいいものあればと思って、仕事で結構使うので」
飲食店経営: 「(何を買った?)寸胴鍋です、仕事で。(仕事は?)ラーメン屋さんです」
このにぎわいには「訳」があります。 元飲食店経営: 「寂しいですよね。専門的ないいお店だったから、よく買いに来ていた」 農家: 「こういうお店は残してほしいけどね。普通の店より高いけどね、いいもの売っているね。本物だね」 店に張り出された紙には「完全閉店」の文字が。
11月末で店を閉じる決断をしたのは2代目の社長・吉沢正彦さん(59)です。 吉沢金物店・吉沢正彦社長: 「売り上げの減少があって、赤字が続くようだったら思い切って閉めようと、(11月末で)閉店させていただくことになりました」
開業は昭和43年。 市内の卸業者で働いていた吉沢さんの父・貞次さんが独立して、創業しました。
吉沢金物店・吉沢正彦社長: 「創業当時は、まだホームセンターとか、金物店とか周りにそういう店がなかったので、毎日のように人が押し寄せるように来ていた」
懐かしいチラシ。オープン当初のものです。 炊飯ジャーにマホービン、米びつも。
時代を感じさせるものもあれば、工具などは今とさほど変わりません。 吉沢金物店・吉沢正彦社長: 「金物はファッションとは違って、毎年流行があるものじゃないので、創業時代からのチラシを見ても、今のチラシを見てもほとんど同じものを売っている」