レスリング男子 樋口黎が金メダル!8年越しの悲願達成「簡単な道のりではなかった」
「パリ五輪・レスリング男子フリースタイル57キロ級・決勝」(9日、シャンドマルス・アリーナ) 【写真】リオ銀から8年越しの悲願 日の丸を背に感極まった表情が思い伝わってくる リオデジャネイロ五輪銀メダルの樋口黎(28)=ミキハウス=が、アメリカのスペンサーリチャード・リーと対戦。激闘の末、4-2で金メダルを獲得した。 第1ピリオド、残り1分を切り相手の圧力に押されて場外へ出されて1失点。さらに残り8秒で再び相手に押し出され、0-2で前半を終了した。 勝負の後半、第2ピリオド。樋口が仕掛け、相手を崩してバックを取って2得点。2-2だが、ルール上、逆転に成功した。その後はリーの猛攻を耐え、リードを守り切り勝利。リオの銀から、8年越しの悲願を達成した。 21年の東京五輪アジア予選では悪夢の50グラムオーバーでの計量失格。どん底から這い上がった樋口は「金メダルを取るまで簡単な道のりでなかった。たくさんの絶望を味わってきたが、絶対に金を取れると思ってやってきた。僕一人で取れた金メダルと思ってない。自分が世界で一番強いと思って、応援してくれる方もいたので、応えられてよかった」と振り返った。 準決勝ではインドのアマンを圧倒。前半だけで勝負を決め、10-0のテクニカルスペリオリティ勝ちで決勝に駒を進めた。 リオ五輪以来、8年ぶりのメダルを確定させたが、試合後は「落ち着こう」と冷静になるような仕草もみせ、足早に控室へ。悲願の金メダルへの準備を優先させた。 2大会ぶり2度目の五輪で金メダルだけを目指す戦い。決勝は大激闘となったが、執念で金メダルを獲得した。 ◆樋口黎(ひぐち・れい)1996年1月28日、大阪府出身。運動が苦手だったため、母の容子さんが4歳からレスリングを習わせた。茨城・霞ケ浦高から日体大に進み21年にミキハウスに入社。15年全日本選手権優勝。16年リオデジャネイロ五輪ではフリースタイル57キロ級で銀メダルを獲得。23年世界選手権では同階級で準優勝を果たし、パリ五輪代表を内定させた。