【フェアリーS】注目血統は”ディープインパクト” 中山マイルでも主流血統馬の活躍が目立つ一戦
有力馬の血統解説
・ジャルディニエ 母ヘアキティーはダート7Fの米3歳GⅠラブレアSの優勝馬。アドマイヤマーズ産駒の本馬も父母譲りの仕上がりが早いマイラーで、若駒時からマイル前後でのスピード勝負に対応できる資質を備えています。Tom Fool血脈を豊富に持つ馬らしいピッチ走法で、俊敏性が求められる中山コースもピッタリ。前走以上のパフォーマンスに期待したい一頭です。 ・ミーントゥビー タップダンスシチーなどが出るMiss Carmie牝系に属し、リアルインパクト×フジキセキの本馬はスピード強化型の短距離馬。牡馬ならマイルまで守備範囲ですが、牝馬なら1400m以下がベターではないでしょうか。ディープインパクト系リアルインパクト産駒ではありますが、本質的にはもっと短い距離でスピードを生かす競馬が合うでしょう。 ・ニシノラヴァンダ 母プルージャはダート1600mの亜GⅡ勝ち馬。半兄エルゲルージもダート1400~1800mで4勝を挙げており、サトノアラジン産駒の本馬も立ち繋ぎ(つなぎ:球節から蹄の間の部分)の芝ダート兼用のマルチランナーに出ています。芝ならソフトな馬場の方が合いそうで、距離も1200m前後がベター。ディープインパクト系サトノアラジン産駒ではありますが、中山芝1600mへの条件替わりはプラス材料とは言えません。 ・レイユール 母レイカーラは2014年マイルCS優勝馬ダノンシャークの半妹。本馬はディープインパクト系のキズナ産駒で、3/4同血の姉にはシンリョクカ(2024年新潟記念の優勝馬)がおり、ディープインパクト+フランス牝系らしい末脚が持ち味の主流血統馬です。将来的にはマイルから中距離の大箱コースが得意条件になりそうですが、ディープインパクト系×Kingmambo系はフェアリーSの血統傾向にピッタリでしょう。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大