「推し活」は若者だけじゃない!高齢者の6人中1人がハマる 「推し活」で満たされる高齢者の身体や心
好きなグループとの出合い 今までとは違う自分
アイドルグループのメンバーにハマっているという薩摩川内市の69歳の女性を訪ねた。二木和子さんは2020年1月にデビューした「Snow Man」のファンだ。 部屋にはグッズがいっぱい!推し活を始めたきっかけは、コロナ禍で見た「Snow Man」の番組だった。「この人たち、いい!」と感じた二木さん、2日目には9人のメンバーを覚えていて、自分で驚いたそう。「私、興味あるじゃん!」と少女のような屈託ない笑顔で語った。 そんな母の姿を見た息子たちの勧めで戸惑いながらもファンクラブに入った二木さん、一番の「推し」は、ファンの間で舘様(だてさま)と呼ばれている、宮舘涼太さん。過去のライブ映像で、“編み編み”のタンクトップに厚い胸板の姿を見て「私、こういう人がいい!って思った。」と頬を赤らめた。 二木さんがここまでアーティストにハマるのは初めて。11月には福岡で行われたドームツアーに1人で出かけた。服装はもちろん、宮舘さんのメンバーカラーの赤! 応援のペンライトはリーダーの岩本照さんのメンバーカラーである黄色用、宮舘さんの赤用に2本、そしてうちわを2つ購入。両手で持ちきれないが「よく考えたら(一度に全部は)持てないのに、おバカやん!?」と、はしゃいだ様子。Snow Man愛いっぱいのトークは止まらなかった。 さらに「いろんな情報を集めたいから、インスタグラムやXを覚えました」表情からは、毎日が楽しく充実している様子がうかがえる。
「推し活」で人とつながり 高齢者の身体や心が満たされる
「高齢者の推し活と幸福度の関係性」を研究するサントリーウエルネス生命科学研究所・森田賢研究員に、「推し活」が高齢者にもたらす効果について聞いた。 「推し活」が高齢者の行動を活性化してくれると考えているという森田さん。「人とつながる量が増える。つながりの質も高まっていく。その中で自分の役割ができたりする。」とその効果を語る。 そして、「心がワクワクする楽しい時間によって、高齢者が身体も心も満たされる状態」を「推し活」が提供してくれるのではと、期待を口にした。 人生100年といわれる現代。日常の中で幸福だと思える時間は、できるだけ多い方がよい。自分以外のモノや人を応援することが与えてくれる幸せ。そんな価値観で残りの人生を楽しむのも、なかなか良いのではないか。 推し活は、高齢者にとっても、生きがいや生活にハリをもたらす、魔法のような存在なのかもしれない。 (鹿児島テレビ)
鹿児島テレビ