【休む=悪】じゃない!“疲労負債”を解決する「活力貯金」とは?
現代人の約8割が疲労感を抱えているという調査結果が。しかも、仕事にも家事や育児にも追われる30代女性ともなると9割超えだとか。「疲れているからやる気がおきない」そんな疲れ果てた現代人がやるべき「活力貯金」をリカバリーのプロに教えてもらいます。 【不眠レベル診断】 眠れない原因と対策方法を徹底解説! 教えてくれたのは……片野秀樹先生 一般社団法人日本リカバリー協会代表理事・医学博士
やる気がでない、仕事のパフォーマンスが上がらない、体が重い……。“疲労負債”を抱えている現代人は8割以上!
片野秀樹先生 体が休息を必要としている3大シグナルの中で発熱や痛みが出ると、仕事を休む、動かないようにするなど、休息を得る判断をする人が多いと思います。ですが、疲労は軽視されがち。日本は、疲労を重ねてもがんばり続けることが美徳だという考えが今も続いています。2019年にリカバリー協会が実施した10万人規模の就労者を対象とした調査では、約8割もの人が疲労を自覚していることが明らかになっています。多くの人が“疲労負債”を抱えた状態で働いているということがわかります。
日々の休養では満たされず、日々“充電不足”。“疲労負債”に追われる自転車操業的サイクルとは?
片野秀樹先生 私たちの生活は、活動(仕事や勉強、運動)→疲労→休養サイクルになっています。本来、このサイクルがうまく廻っていれば、仕事で疲れてパフォーマンスが一時的に落ちたとしても、休養時に“充電”が満タンになっていれば、いい状態のリスタートをきることができます。けれど、現状として“充電”が満たされないまま、次の活動を行い、さらに“充電”を消耗する「疲労負債」の負のスパイラル状態に陥っています。そうなれば、当然、労働生産性などのパフォーマンスが低下するため、「仕事でミスが続いている」「思ったより成績が伸びない」というような状態の原因になります。こういった活力が足りておらず、パフォーマンスが低い状態でも働くことに意義がある、そんな考えを捨て、休養を取り、万全の状態で挑むことが正解という世の中になるよう私たちは活動しています。そうはいっても、すぐに理想とする社会にはなりません。そのため、“疲労負債”解決のカギとして、活動→疲労→休養というサイクルの見直しを提唱しています。