【有馬記念】ルメール王者狩り アーバンシックで勝算あり GP4勝目へ3歳菊花賞馬とコンビ「勝つのにいい素材」
「有馬記念・G1」(22日、中山) この男を抜きで、年末のグランプリは語れない。破竹の進撃を続けていたディープインパクトに、初めて土をつけた05年ハーツクライを筆頭に、師走の中山で数々のドラマを演出してきたクリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー。この名手の手綱を熱望する馬が多くいるなか、今年は菊花賞馬アーバンシックとのコンビで臨む。生きのいい3歳馬と、狙うは再度の王者狩り。大一番へ向けての胸中に迫った。 ◇ ◇ -今年は菊花賞馬アーバンシックで参戦する。その前走を振り返って。 「菊花賞は勝つ自信があったね。すごくいい競馬だった。スムーズに運ぶことができたし、最後はいい脚を使ってG1ホースになった」 -コンビを組んで2戦2勝。現在の状態については。 「この馬は3歳だから、古馬との対戦は難しくなると思う。レベルアップしないといけないけど、能力はあるね。それに、レースごとに強くなってきているのを感じるから、チャンスはある。この秋からさらに良くなってきた。乗りやすくなって大人になった感じがあるね」 -舞台となる中山コースはどうか。 「中山でも経験があるのはいいね。スタミナもあるから、2500メートルの距離はちょうどいいと思う」 -最大の強敵となるドウデュースについて思うところは。 「素晴らしい馬だね。負かすのは難しい。ドウデュースより前から運ぶ?でも、アーバンも結構後ろからの馬だからね。レースのイメージはまだないけど、ドウデュースと一緒に近くを走っていると思うよ。ドウデュースは一番のライバルですからね」 -これまでに有馬記念を3勝。3歳馬でも勝っている。 「特別なレース。3歳で勝つにはタフな馬が必要になってくる。(16年の)サトノダイヤモンドもそうだった。アーバンも有馬記念を勝つのにいい素材だと思う。菊花賞も2周するから、リズムは同じだからね」 -レースでは他にどこがポイントになるか。 「一番は枠が大事になってくる。去年(スターズオンアース=2着)は大外枠だったけど、いいスタートを切って内を走れたのが良かった。大外枠だと外々を回るのですごく厳しくなる。今年は抽選でどんな枠になるかだね。内枠が欲しい」 -自身の今年1年を振り返って。 「まだ早いよ(笑)。まあでもアップダウンな年でしたね。ドバイではケガ(落馬で鎖骨、肋骨を骨折。肺に穴が開き約1カ月休養)をした。夏は休んで…、でもまたリーディングに立っている。このまま行けば7回目だね?うれしいです」 (続けて) 「イクイノックスがいなくてさみしかった。G1を勝つのが難しくなったけど、チェルヴィニアでオークスと秋華賞を勝って、そして、たくさんいい馬にも乗せてもらいました。だから、いい年でしたね。ありがたい。感謝です。あとは有馬記念、そしてホープフルSでもいい結果が欲しいよ」 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日生まれの45歳。フランス出身。栗東所属。02年から短期免許で来日し、15年にJRAの騎手免許試験を受験して見事合格。M・デムーロとともに外国人として初めてJRAの通年免許を取得した。05年の有馬記念ではハーツクライで無敗の3冠馬ディープインパクトに初めて土をつけ、人馬ともにGI初勝利を挙げた。騎手リーディングは6度獲得。18年には年間215勝を挙げ歴代最多勝記録を更新した。G1は通算65勝(地方・海外含む)。