今年こそ咲くか「エアグルーヴの血」 曾孫が一族悲願の有馬記念Vへ
米G1・BCターフで2着だったローシャムパーク(牡5、美浦・田中博康厩舎)が、有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)でGI初制覇を目指す。 【写真】ローシャムパークのこれまでの軌跡 ローシャムパークは父ハービンジャー、母レネットグルーヴ、母の父キングカメハメハの血統。曾祖母のエアグルーヴは96年のオークスと97年の天皇賞(秋)を制した名牝。そして4代母のダイナカールは83年のオークス馬。一族にはドゥラメンテやアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップやジュンライトボルトなど、活躍馬がズラリと並ぶ。平成から令和の日本競馬を引っ張ってきた名牝系といっても過言ではない。 ここまで15戦6勝。昨年の函館記念で重賞初制覇を果たすと、続くオールカマーも快勝し、スターダムに駆け上がってきた。その後、香港Cでは8着に大敗したが、これは初の海外遠征だったので参考外でいいだろう。今年は大阪杯がベラジオオペラからクビ差の2着。宝塚記念でも道悪に苦しみながら、0秒9差の5着に食い下がった。そして秋は毎日王冠(10着)をステップに米G1・BCターフに参戦。国内オッズでも7番人気の低評価だったが、直線で大外から猛追し、レベルスロマンス(Rebel's Romance)からクビ差の2着に食い込んだ。名手でも手を焼くほどの乗り難しさはあるが、GI級の能力があることは間違いなし。当然、今回も立ち回り一つで上位争いになるはずだ。 グランプリは一族の悲願でもある。平成を代表する名牝のエアグルーヴだが、有馬記念にはなぜか縁がない。自身は97~98年に2年連続で2番人気に推されて3着、5着。母系に血を引く馬はフォゲッタブル、ルーラーシップの2頭が計5回参戦して、12年のルーラーシップの3着が最高。付け加えるとエアグルーヴの血を引く種牡馬の産駒も延べ8頭が出走し、昨年のスターズオンアース(父ドゥラメンテ)の2着が最高着順となっている。今年こそはジンクス克服となるか。ローシャムパークが悲願のビッグタイトルをつかみ取り、天国の曾祖母に吉報を届けることを願いたい。