常磐線特急「ひたち」「ときわ」で直接羽田へ 本格着工の空港アクセス線に一部乗り入れ 「鉄道なにコレ!?」【第44回】
そこで、あるJR東日本幹部に直撃したところ「なるほど」と膝を打つ計画を聞いたため、2023年5月8日から配信されている共同通信Podcast番組「きくリポ」の#17「国鉄型車両引退スクープの裏側から新線開業に関する新情報、西九州新幹線の今後まで…鉄道の『なにコレ!?』に迫る」 https://omny.fm/shows/news-2/17 で明らかにした。 詳しくは聴いていただきたいが、話題が羽田空港アクセス線に及んだ際に筆者は「あるJR東日本の幹部から聴いた話ですが、羽田空港アクセス線が開業すると、現在は常磐線の土浦や水戸といった茨城県と結んでいる特急の『ひたち』と『ときわ』の一部は、そのまま羽田空港の駅まで乗り入れ、そこ(羽田空港新駅)の発着になるようですよ」と申し上げた。 現在は「ひたち」と「ときわ」が品川駅を発着しているが、幹部は一部列車の東京側の発着を羽田空港新駅に変えることを想定していると明らかにした。品川発着の常磐線特急は原則として1時間2往復しているため、羽田空港新駅の開業後は同1往復が同駅を発着し、品川発着は同1往復に減ることが見込まれる。
常磐線沿線は1本の特急で羽田空港と結ばれることで、国内外へのアクセスが飛躍的に改善するのは確実だ。ともに水戸市にある「日本三名園」の一つで梅の名所として知られる「偕楽園」や、水戸藩第9代藩主の徳川斉昭が1841年に開設した日本最大規模の藩校だった「弘道館」といった観光名所へ外国人旅行者を呼び込む追い風にもなりそうだ。 ▽常磐線特急が乗り入れるべき理由とは 東山手ルートは羽田空港新駅と東北線、高崎線もそれぞれ直結する。その中で常磐線と結ぶ特急を走らせるのが理にかなうのは、東関東と都心をつなぐ新幹線が走っていないからだ。 JR東日本は東北線沿線にある大都市の宇都宮駅、あるいは高崎線沿線の高崎駅から羽田空港へ向かう利用者に対しては、東北新幹線または上越新幹線で東京駅へ向かってもらい、羽田空港新駅行きの電車に乗り換えてもらうように誘導するはずだ。 ただ、羽田空港アクセス線への重要な連絡線となる上野東京ラインが2015年3月に開業するまでの経緯を振り返ると「特に埼玉県などが東北線と高崎線の東京駅乗り入れを熱心に要望していた」(JR東日本幹部)とされる。