常磐線特急「ひたち」「ときわ」で直接羽田へ 本格着工の空港アクセス線に一部乗り入れ 「鉄道なにコレ!?」【第44回】
東京の空、陸それぞれの“玄関口”である羽田空港と東京駅を約18分で直結するJR東日本の新路線「羽田空港アクセス線」の本格的な工事が6月に始まる。JR東日本幹部は、2031年度に予定している開業後は常磐線特急の一部列車は羽田空港新駅の発着になるとの見通しを明らかにした。常磐線沿線は、国内外へのアクセスが飛躍的に向上することになり、外国人旅行者を呼び込む起爆剤にもなりそうだ。(共同通信=大塚圭一郎) ▽東山手ルートは東北線、高崎線、常磐線と直通に JR東日本によると、羽田空港アクセス線の終点の羽田空港新駅(仮称、東京都大田区)を第1、第2の両ターミナルの間にある空港構内道路の地下に建設。最大15両編成が乗り入れられる長さ約310メートル、幅が最大約12メートルの1面2線の島式プラットホームを地下1階の深さに設け、新駅と隣接した第2ターミナルを高低差なく移動できるようにする。 羽田空港アクセス線からは3方面へのルートを計画しており、うち最初に整備をするのは「東山手ルート」(新橋、東京、上野経由)。他に、東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)の近くで分岐する「西山手ルート」(新宿、池袋経由)、「臨海部ルート」(東京・台場の東京臨海高速鉄道りんかい線東京テレポート経由)を将来建設する。
東山手ルートは田町駅(東京都港区)の付近までの12・4キロを整備し、工事費は約2800億円。東海道線と上野東京ラインを経由して東北線や高崎線、常磐線と直通する電車を走らせる。 ▽約18分に短縮、1時間に4往復 東京駅と羽田空港は、現在は乗り換えて最短でも約30分かかるが、新駅とは約18分で結ばれ所要時間は大幅に短縮される。羽田空港と迅速に結ぶのが主眼のため「羽田空港新駅と新橋駅の間に停車駅を設ける計画はない」(関係筋)という。 羽田空港アクセス線と東海道線が合流する田町駅付近の一部区間が単線になるのが制約となり、運転本数は1時間当たり4往復、1日当たり72往復にとどまる計画だ。JR東日本は具体的なダイヤは未定としている。 しかし、社運を賭けた大規模な投資を決める過程では、どのような列車を羽田空港に乗り入れさせるのかを社内でシミュレーションをしているのが一般的だ。 ▽品川駅発着の「ひたち」と「ときわ」の一部を新駅に移行