V8+3モーターのランボルギーニ「テメラリオ」が堂々降臨! EV走行モードも備えた920馬力の新時代ランボの中身とは
ランボルギーニ第3の電動化モデル
1875年、ある一頭のファイティングブル(闘牛)が、戦いの場へと導かれた。獰猛で、また勇敢な性格から、「テメラリオ」と命名されたこのブルは、その名のとおり闘牛史に残る死闘を演じ、後世にその名を残すことになった。そのテメラリオの名が2024年に復活を遂げることになった。今度はランボルギーニの新型スーパースポーツの名前として、そしてまたランボルギーニの歴史において大きな節目となる1台のニューモデルの名前として。 【写真】まるでコンセプトカーのような佇まい! モンスターマシン「テメラリオ」の全容(全44枚) テメラリオに秘められたトピックスはきわめて豊富だ。まず、V型8気筒エンジンをリヤミッドに搭載するランボルギーニ製のモデルとしては、それは1988年まで生産が継続された「ジャルパ」以来の作であるということ。テメラリオの前身である2014年発表の「ウラカン」、さらに歴史をさかのぼるならば2003年発表の「ガヤルド」は、いずれも自然吸気のV型10気筒エンジンを搭載するモデルだったが、そのメカニズムを一新する決断を下したこともまたテメラリオでは最大の注目点といえる。 ランボルギーニはここ数年、「コル・タウリ戦略」の名のもと、将来モデルにおいての脱炭素化を目指してきたが、それは製品の電動化プロセスにおいても、ランボルギーニの真の伝統である最高のパフォーマンスとドライビングダイナミクスを保証できる技術ソリューションを探ることに常に焦点があてられてきた。 今回発表されたテメラリオは、Vバンク内にレイアウトされるツインターボによる過給を受けるV型8気筒エンジンに、3基のエレクトリックモーターを組み合わせたPHEV(これをHPEV=ハイパフォーマンスEVとランボルギーニは呼ぶ)。これは先に登場し、すでに3年分のオーダーを受けているというレヴエルトに続くHPEVモデルであり、同じくハイブリッドのウルスSEを加えて、ランボルギーニはフルラインアップでハイブリッド化を実現したことになる。コル・タウリ戦略はここにひとつの大きな節目を迎えたのだ。 モントレー・カー・ウィーク2024で行われたイベントのひとつ、カーメルのクエイル・ロッジが会場となったモータースポーツ・ギャザリングでワールド・プレミアされたテメラリオはきわめて美しく、そしてランボルギーニ車らしい個性に包まれた斬新なボディスタイルをもつモデルだった。 古くは1960年代から見られる六角形のシンボルは、このテメラリオにおいても重要なデザイン要素のひとつ。メインボディやサイドエアインテーク、デイタイムランニングライト、エグゾーストパイプといったパートには、この六角形のディテールが採用されており、さらに航空技術の要素を融合させることで、均整のとれたアスレチックなシルエットが生み出されている。 もちろんデザインのみならず、このボディはエアロダイナミクスにおいても優秀な造形で、デザイナーとエンジニアの密接な関係によって、高速走行時の安定性、冷却性能の向上と効率の最大化という主要な設計目標を達成。じっさいの性能は、リヤのダウンフォースが前作ウラカンの最終進化型ともいえるEVOと比較して103%増加したほか、機械部品の冷却効率も大幅にそれが向上している。 中央部分に溝を設けたルーフのデザインも、エアロダイナミクスを向上させるためのひとつの策だ。この溝を通り抜けたエアは、ボディに一体化されるリヤスポイラーに導かれ、ダウンフォースの向上に貢献。エンジンフードの側面が湾曲していることもまた同様の効果を生み出す。 アンダーボディの設計も、もちろんテメラリオのエアロダイナミクスには大きな効果をもたらしている。ボルテックス・ジェネレーターの装備でエアストリームを最適化しているほか、リヤデフューザーもウラカンEVOと比較して表面積で70%増、角度も4%拡大している。また、フロントセクションでは、ブレーキの冷却効率を最適化するためにロワアームに固定されたディフレクターを組み込むなど、こちらもさまざまな新技術が見られる。
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