なぜ中日は10年ぶりの8連勝を果たせたのか?与田監督が明かした理由は「反省」と「根気」
勝負を決めたのは不調による2軍調整を経て復活した助っ人のバット。1-1で迎えた5回に一死からまた1、2番がチャンスを作り、一、二塁で、アルモンテが「インコースのボール球だったけど芯でとらえて強いスイングができた」と自画自賛した打球が、神里の判断の悪さにも助けられてセンターオーバーの勝ち越しタイムリーとなったのである。ビシエドの申告敬遠で、さらに満塁と続くチャンスに阿部はショートへ併殺におあつらえ向きのゴロを打たされたが、なんと二塁ベースを踏んだ後にセカンドの中井が一塁へとんでもない悪送球をして、大きな2点をプレゼントしてもらったのである。 これが勢いの差というものなのだろう。 7回にはロメロが2人の走者を出して2番手の谷元にスイッチ。彼は2点を失うが逆転は許さない。 「ロメロは少しコントロールに苦しんでいる表情があったが、打たれ強さがあった。7回の続投は、もう1回投げてくれればの思いがあった。でも谷元が逆転を許さなかった。ロメロは良く投げてくれたよ」 そして8回に与田監督が「あれはやらなければいけないところだった」という京田の二塁への帰塁を巡ってのアウトの判定をリクエストでひっくり返すと、ラミレス監督は、なぜか、息絶え絶えだった赤間を続投させ、二死満塁から、大島が確実にファーストストライクを仕留めて貴重な2点を追加。最後は、福からキューバ代表に合流するため母国へ帰国中のR・マルティネスが帰ってくるまでの期間限定の新ストッパーの左腕、岡田にスイッチした。4点差があったが、与田監督は石橋を叩いたのである。 「3連投になってすこし疲れも見えた。セーブシチュエーションじゃなかったが、横浜打線が非常に強力なのでリードしている展開で必ず勝ちにいかなくちゃいけないのが今の状況。よく投げてくれた」 与田監督は勝負の鉄則を守った。 打線がつながり、そして、先発がゲームを作り、勝利方程式の確立……。ストッパーのR・マルティネスが不在で、主将で首位打者だった高橋は17日の阪神戦で小指に大きな怪我を負った。いわば”飛車角”を欠く状態だが、それがクローズアップされないほど歯車がうまく回っている。落合博満監督時代の2009年7月15日の阪神戦からオールスターをまたいで7月28日の巨人戦まで続いた9連勝以来の8連勝も納得である。 8連勝が10年ぶりと聞いた与田監督は、「そうですか。おお、まあ、うれしい話をたくさん聞けるようにがんばります」と、少し相好を崩して驚いた。