「400年先の未来まで」 バイオリニストがプロデュースした新楽器『クロノス』 楽器に込めた祈り
甲府市に住む男性が「クロノス」という独自の弦楽器をプロデュースしました。 バイオリンにみえますが、音色も含めて大きな違いがあります。 男性はこの楽器にある祈りを込めています。 【写真を見る】「400年先の未来まで」 バイオリニストがプロデュースした新楽器『クロノス』 楽器に込めた祈り 華麗に演奏しているのは甲府市に住むバイオリニストで作曲家の野武大誠さん(36)。 手にしている楽器は、一見 普通のバイオリンのように見えますが… Q. こちらは何ですか? 野武大誠さん: 「クロノスです」 ギリシャ神話に登場する時間の神の名前をつけた弦楽器「クロノス」です。 野武大誠さん: 「バイオリンが出来て、今までが大体400年なので、(同じように)時間をかけて継承されていく楽器になったらいいなということで、時間の神様の名前をつけさせてもらいました」 クロノスは野武さんがプロデュースしたオリジナルの楽器で、バイオリンとの最大の違いは「弦の本数」です。 野武大誠さん: 「バイオリンは弦が4本張ってありますが、弦を1本足して音域を拡大した楽器を作りました」 クロノスは弦を1本増やすことでバイオリンには出せない低い音も奏でられるようになっています。 また低い音を出すために、音を出す穴や厚みをバイオリンと比べわずかに拡大しました。しかしサイズはバイオリンとほぼ同じななため、バイオリンと同じ感覚で演奏できます。 製作はおよそ3年前、親交があった東京のバイオリン職人のところへ立ち寄った時がきっかけでした。 野武大誠さん: 「試作品みたいな感じで低音が鳴らないっていう(バイオリンの)弱点を克服されかけているような(5弦の)楽器が、たまたま置いてあったんです」 「職人さんがたまたま遊びで作ったものなんですけど、これはチャンスだと思って思い切って作ってみた」 こうして野武さんと職人がタッグを組み製作がスタート。 職人が試作したものを野武さんがチェックする形で開発は進みますが、簡単にはいきませんでした。 野武大誠さん: 「もうこれで完成だとうまくいったタイミングが1回あって、待ち合わせの駐車場でケースを開けたら壊れていたことがありました」