パキスタン北東部で大気汚染深刻、健康被害抑制へ屋外活動禁止や商店営業短縮命令
Mubasher Bukhari [ラホール 11日 ロイター] - パキスタン北東部パンジャブ州政府は10日、深刻な大気汚染による健康被害を抑制するため、11日から大半の屋外活動を禁止するとともに、一部地域で商店や市場、モールなどの閉店時間前倒しを命令した。 地域によっては17日まで教育機関や公園、動物園などの公共施設も閉鎖される。対象地域には、スイス企業IQエアが算出する空気質指数で世界最悪とされるラホールなどが含まれている。 ラホールやムルターン、ファイサラバード、グジュラーンワーラといった地域では呼吸器疾患や目・のどの炎症、結膜炎などの患者がかつてないほど増加しているという。 パンジャブ州政府は「バクテリアやウイルス感染、煙、ほこり、化学物質にさらされることによる結膜炎の広がりは深刻かつ差し迫った公衆衛生上の脅威を生み出している」と指摘した。 スポーツイベントや展示会、お祭り、飲食などの屋外活動が禁じられるが、宗教儀式は認められる。また薬局や燃料販売、生鮮食品販売といった商店は閉店前倒し命令の対象から外される。 11日時点のラホールの空気質指数は600強と依然危険なレベルだが、今月に入って記録した1900からは大きく低下した。 良好とされる指数のレベルは0─50だ。 国連児童基金(ユニセフ)は11日、パンジャブ州政府に子どもの健康を守る観点から大気汚染対策の強化を要望した。 5歳未満の子ども1100万人余りが汚染された大気を吸うことで危険になるほか、州内の約1600万人の児童の学習が阻害されるという。