日産「ケンメリGT-R」はトヨタ「2000GT」より貴重な車だった! 1億円を超えるプライスも納得の理由を説明します
レーシーな顔つきにオーバーフェンダーを装着
では、メカニズムでの注目点はというと、文句なしにプリンス直系のS20型エンジンにある。ケンメリGT-Rが登場した1973年でも24バルブのDOHCエンジンはまだ珍しく、希少性はあった。現代の目からするとズラリと並んだキャブレターなど、なんとも言えないオーラが漂ってくるのは事実で、見た目も含めてケンメリGT-Rの魅力だろう。そのほか、4輪ディスクブレーキ化やスタビライザーの追加を行っている。 ただし、ハコスカで話題だった戦うための100Lタンクなどは廃止されていたり、基本部分はハコスカからの継承だったりはする。細かく見ていくと目新しさはなく、ケンメリ自体の評価はもともと芳しくなかったのもまた事実だ。 最後に見た目はというと、レーシーな顔つきとオーバーフェンダー、後端に付けられたスポイラーはGT-Rらしさにあふれるし、ベースのGTと比較しても大きな違いでもある。現在、いわゆるGT-R仕様も1000万円超えといった状況で、これはやはりGT-Rという見た目の別格感ゆえだろう。ちなみに内装に関してはケンメリGT-Rではあまり手が入れられてはいないが。 以上、ケンメリGT-Rの魅力を整理してみたが、冒頭でも言ったように価値は人それぞれ。ただ言えるのは、このようなレーシーな内容と雰囲気をもったクルマは二度と現れないだろうし、なにより現存数も増えることはないということ。クルマも歴史価値があると考えれば、価格に評価が反映されるのも自然ではあると思われる。
近藤暁史(KONDO Akifumi)
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