コアラのエサ代は年間1,000万円!?でも入園料収入は費用の6割...公営動物園の『お財布事情』「推し」動物への寄付にグッズを展開する園も
「エサの寄付」は年間なんと30t以上!
直面する「財政難」を、寄付で乗り切ろうとする公営動物園も。開園前、京都市動物園にやってきたのは老舗豆腐店。届けたのは大部分が産業廃棄物となってしまう「おから」です。 (南禅寺豆腐屋/服部食品 西島寛さん)「動物園がエサで困っていると聞いて、うちのおからを役立てられないかと」 このおから、クマやカバなどが喜んで食べるエサになるそうです。京都市動物園では、年間6千万円ほどかかるエサ代を節約するために、飲食店や企業から、本来は捨てられてしまうはずの野菜の切れ端などを、「エサの寄付」として受けつけています。 (京都市動物園 和田晴太郎園長)「(年間)30t以上寄付の量はある。エサ代の価格も上がっていると考えれば1000万円以上の費用の効果があると思います」
動物園でも推し活! “推し”動物にエサ代を寄付
さらに、自分が好きな「推し」の動物にエサ代を寄付できる「エサ代サポーター制度」を導入。10万円以上寄付すると、「推し」の動物の前に企業や個人名のネームプレートが、1年間掲示される特典が!去年はこの「エサ代サポーター」だけで、1400万円近い寄付が集まったといいます。 (京都市動物園 和田晴太郎園長)「いろんな形で(動物園の支援に)携わってもらえる仕組み作りを行っています」
入園料がもともと無料の動物園 その収入源は?
寄付ではなく、「人気の動物」に乗っかり、収入をあげる公営動物園も。大阪・池田市にある五月山動物園では、独自の工夫が。 3年後のリニューアルオープンを目指し、改修中で、動物たちは、仮の獣舎でのんびり。五月山動物園は日本で2番目に小さい動物園で、年間経費が約6000万から7000万かかりますが、本来、収入源であるはずの入園料がもともと無料なんです。では収入は?というと、ある「人気者」が一役買っていました。
園の人気者「ウォンバット」が休園中も園を支える
五月山動物園の人気者は、カンガルーやコアラと同じく、お腹の袋で子育てをするオーストラリアの固有種、ウォンバット。国内では2か所でしか見られません。ここにいる3匹のウォンバットが、実は休園中の今も稼いでくれているんです。グッズショップを見てみると… それぞれの個体をモデルに作られたぬいぐるみは人気があり、年間約1000個の売れ行きだといいます。ほかにも、算数ノートや学習帳もあり、主にウォンバット関連グッズの売り上げなどが園の運営を助けているといいます。