<ボクシング>村田が中国・上海でKOマシンへ変貌する!
プロボクシングのロンドン五輪金メダリストで、ミドル級の4団体でランキング入りしている村田諒太(29歳、帝拳)が30日に中国・上海のオリエンタルスポーツセンターで、WBCスペイン語圏ミドル級王者のガストン・アレハンドロ・ベガ(32歳、アルゼンチン)とノンタイトル10回戦を行うことが8日、発表された。 上海のイベントのメインは、五輪2大会連続の金メダリストで、地元中国の英雄、ゾウ・シミン(中国)の再起戦で、村田はそのセミファイナルに登場予定で、金メダリストの競演となる。 当初、村田の相手は、WBA世界ミドル級暫定王座決定戦を戦ったことがあるKO率72パーセントのファン・カミロ・ノボア(34歳、コロンビア)が予定されていたが、準備不足を理由に辞退を申し入れてきたため、急遽、ベガに変更となった。 ベガは、24勝(10KO)10敗1分の右構えのボクサーファイターで、右ストレートは怖いがスピードがなく、特に左は大振りでパンチを見極めることができる。パンチに対する反応はいいが、ガードが下がるため、“KO決着”にはおあつらえ向きの相手。昨年は2試合を戦い、アルゼンチンの国内王者と元王者に連敗中。ここ数試合の村田の相手では、最もレベルが低い部類の相手だが、プロモートしているトップランク社の上海というボクシング未開発の魅力あるマーケットで、ド迫力のミドル級のKOシーンを見せておきたいという期待が込められているのだろう。 村田は、「今、対戦相手の名前を聞いたばかりで映像も見ていない。研究しすぎてもどうか。その場のフィーリングで対応したい」と対戦相手について多くは語らなかったが、田中トレーナーは「振ってくるので頭をぶつけたり巻き込まれたりしないように注意したいが、練習で取り組んでいるものが出せれば大丈夫」と、余裕のコメント。 村田はプロ9戦目となる上海マッチのテーマを「リスタート」とした。 「これまで金メダリストであることや無敗であることをどこかで守ろうとしている自分がいた。もうロンドン五輪から4年が経過してリオの年。ここから新しいものを築く気持ちでいい試合をしたい」。昨年11月、ラスベガスのビッグマッチのアンダーカードでの凡戦がよほどこたえたのだろう。 しかも、今年中に世界挑戦を狙う村田にとっては、評価をアップするための重要な世界前々哨戦となる。 「リスクを犯してでも、相手に怖さをみせつけたいしファンに面白いと思ってもらう試合をしたい」と言う。