Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍選手。2024年シーズンのキーポイントと、2年前からの向上とは
2024年シーズンのポイントとなった、サンマリノGPの勝利
Moto2クラスに参戦する小椋藍選手(MTヘルメット - MSI)は、MotoGP第18戦タイGPの週末を落ち着いて迎えていました。少なくとも、傍目にはそう見えました。ランキング2番手に65ポイントもの差を築いているとはいえ、チャンピオン獲得がかかる大一番。それにもかかわらず、金曜日午前中のフリープラクティスから、小椋選手はピットでメカニックと言葉を交わして笑顔さえ見せていたのです。 【画像】2024年シーズンMoto2クラスチャンピオンに輝く小椋藍選手を画像で見る(7枚)
じつは、小椋選手のそんな落ち着いた様子は第13戦サンマリノGPで優勝を飾って以降に見られました。第16戦日本GPでも、第17戦オーストラリアGPでも、そして、ついに迎えたタイGPでも、小椋選手はずっと、悠々とさえしていました。 「今季はうまくシーズンをスタートできなかった」と、小椋選手はタイGPのMoto2クラス決勝レース後に行なわれたチャンピオン会見でシーズンを振り返ります。 今季は小椋選手にとって、いくつかの変化をもって迎えたシーズンでした。タイヤサプライヤーがダンロップからピレリに変わり、イデミツ・ホンダ・チームアジアからMTヘルメット - MSIに移籍したことで、シャシーがカレックスからボスコスクーロになりました。レースでの情報を集め、状況を確認しながらだったこともあるのですが、確かにシーズン序盤、ボスコスクーロ勢の他3名のライダーが優勝や表彰台を獲得する一方、小椋選手はやや出遅れていました。 第5戦フランスGPからチャンピオンシップのランキングトップに立っていたのは、チームメイトのセルジオ・ガルシア選手(MTヘルメット - MSI)でした。しかし、小椋選手には「優勝できる、表彰台を獲得できるポテンシャルがある」という確信がありました。第6戦カタルーニャGPでの今季初優勝は、ひとつのポイントとなった勝利でした。 その後、サマーブレイクを終えてシーズン後半戦に入った第11戦オーストリアGPでは右手を骨折。「ああ、またか、と思った」と言う小椋選手ですが、オーストリアGPだけを欠場し、翌戦アラゴンGPから復帰します。