加賀友禅と京友禅の融合「羽田家のキモノ展」 たにぎ福知山店で
京都府福知山市昭和新町のきもの処たにぎ福知山店で、「羽田家のキモノ展」が開かれている。繊細で多彩な加賀友禅とみやびやかな京友禅を融合させた独自の技法で新しい境地を開いた故・羽田登喜男さん(享年97歳)と長男の登さん(86)=京都市北区=、登さんの次女、登喜さん(56)=同=の作品が並ぶ。27日まで。 三代にわたり継承されている「羽田友禅」の伝統と手描きの技を広く伝えることが目的で、同福知山店を運営する谷義産業(谷原陽一郎社長)が主催。福知山店で羽田家の作品を展示するのは初めて。 登喜男さんは石川県金沢市生まれ。同市内で加賀友禅を学び、1931年に京都へ出て京友禅を学んで、37年に工房を構え作家として独立した。88年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。 キモノ展には着物や帯など約70点を出展。渡り鳥のオシドリと紅葉のモミジの葉をあしらった着物や桜の花、つぼみをデザインした作品、たくさんのアゲハチョウが舞う姿をモチーフにした着物など、どれも丹精込めて染められたものばかり。来店者たちが着物の細部の柄などをじっくりと鑑賞している。 このほか、登喜男さんが制作した祇園祭・蟷螂山の胴掛けの写真も展示している。 府指定無形文化財保持者の登さんは「今の時代に合った情感的な柄の作品もあるので、ぜひ見に来ていただきたい」と来店を呼びかけている。 開催時間は午前10時から午後6時まで。入場無料。