大統領への道「勝負の100日間」ハリスの物語と夢のパワーがアメリカの命運を決める
「無資格の黒人女性」
ハリスの人種と性別も有権者を動かす原動力になるかもしれない。共和党はその点を利用して彼女をつぶそうとするが、黒人かつ女性という属性は同じ属性の人々に活力を与え、この10年間で民主党から離れた黒人有権者を呼び戻せる可能性が高い。 ハリスの立候補がマイノリティーの人々を勇気づける兆候もある。ハリスは後継候補になった直後の数日で、トランプが過去8年間に獲得した黒人有権者を大幅に取り戻した。 共和党が描く「無資格の黒人女性」の物語に白人がどう反応するか。「人種差別的な攻撃を受けながら前向きに戦う黒人女性」の物語に黒人や女性、一般有権者がどう反応するか。勝敗はその点に懸かっている。 どちらの物語がハリスを定義し、どちらの夢が投票日により多くの有権者を捉えるのか。 有権者はハリスを子供のいない不幸な女性、不公平な人種優遇法の恩恵を受け、経済を低迷させた人物と見なすだろうか。 それとも、中絶の権利を擁護し、過去50年間で最強の経済を牽引し、人種や性別を超えた全てのアメリカ人の声とアメリカが目指すべき姿を代弁する人物と受け止めるだろうか。 ハリスは民主党大統領候補としての最初の1週間を成功裏に終えた。彼女に大統領になる資格があると判断する有権者が十分な数に達するか、ここからの100日間が勝負だ。