「なぜコスメを“ガシャポン”に?」 おもちゃメーカー・バンダイの企画担当者に素朴な疑問をぶつけてみた
WWD:苦労した点は?
古澤:マシンのディスプレーポスターですね。化粧品売り場とは違いテスターが置けないので、色味や商品のサイズ感などが伝わりにくいことが課題でした。この小さなポスターの中に情報量を詰め込みすぎず、商品を魅力的に、カラー展開をわかりやすく訴求できるかをかなり試行錯誤しました。
発売前にはディスプレーの状態でどのくらい魅力的に見えるかなどのマーケティング調査を実施し、ユーザーの声を募りました。そうして何度も調査を繰り返し、メイクイメージやサイズの表記、天面のデザイン、活用方法などを盛り込み、さらにキャラクターのファンをがっかりさせない世界観のデザインを意識しました。このポスターは、商品とお客さまのファーストインプレションになるので一番時間をかけました。
WWD:コラボレーションするキャラクターはどのように選定している?
古澤:化粧品という商材と、キャラクターの世界観の相乗効果があるかどうかで決めています。子どもの頃、化粧品は大人のお姉さんが使っているという憧れ的な思いを抱いていた人もいたのではないでしょうか。そんな昔に憧れていたキャラクターや作品をセレクトし、版元にコラボしませんか?と声を掛けています。
古澤「自分に似合う色と偶然出合えた時の喜びを体験してほしい」
WWD:昨今、パーソナルカラーを元にコスメを選ぶ人が増えていると感じます。バラエティーショップの什器や店頭のポップまで、「イエローベースにおすすめ」「ブルーベースにぴったり」などの訴求を見かけるようになりました。
古澤:そんなはやりがある中、この“ガシャポンコスメ”は異端児だと思っています。基本的に化粧品を買う時、自分に似合う色や好きな色を選びたい、失敗したくないという心理が働くことが当たり前ですが、“ガシャポンコスメ”には普段手に取らない新しい色と出合ってほしい、そして自分に似合う色と偶然出合えた時の喜びを体験してほしいという思いを込めています。