蓮池薫さん「拉致問題、親が元気なうちに解決を」 青森市で講演
東奥情報懇談会11月例会が28日、青森市のホテル青森で開かれた。北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(67)が「改めて見る拉致の真相と問題解決への道」と題して、拉致問題の現状や解決の可能性など、自身の体験談を交えて講演した。 1978年、蓮池さんは後に妻となる祐木子さんと2人で新潟県柏崎市の海岸にいたところ、北朝鮮の工作員から暴行を受けてそのまま拉致された。北朝鮮では現地の思想教育を受け、工作員に日本語を教えるなどしていたという。 蓮池さんは、北朝鮮側が死亡したと公表した拉致被害者の遺骨が全くの別人であることや報告書の内容が事実と異なること、亡くなった物的証拠がないことに言及。「北朝鮮側の、拉致問題は解決したという主張はうそ。賠償金を払って終わらせるなんて家族は納得するわけがない。子どもは生きていると信じて救出に努めるのが、残された親にできること」と語気を強めた。 最後に「北朝鮮側は、拉致被害者の親世代が亡くなって、拉致問題が自然消滅するのを待っているに違いないがそれは絶対に許せない。被害者の親が元気なうちに帰国を求める」と結んだ。 11月例会には約75人が参加した。