1900馬力のハイパーGT! “f”のエンブレムを初めて掲げたピニンファリーナ「バッティスタ」はジェット機のような加速感
クルマ好きの方には、ピンとくる名前がピニンファリーナではないでしょうか。いまアウトモービリ・ピニンファリーナが設立され、1900馬力という驚くべきパワーのハイパーGTが送り出されたのです。 内装外装はクライアントは自分好みの仕様に仕立てられる ピニンファリーナは、1930年にカロッツェリア(車体製造者)としてスタート。アルファロメオ、フェラーリ、ランチアをはじめ、メルセデス・ベンツやBMW、日本だと日産やホンダなど、世界中のメーカーの仕事をしてきました。 ファリーナ(1961年にピニンファリーナに改称)の頭文字をデザインした「f」のエンブレムを誇らしげに掲げたクルマもあれば、デザインと技術コンサルタントとしてこっそり仕事をするケースも。
フロントに堂々とfのエンブレムを掲げた初のクルマ
2024年5月に東京に持ち込まれた「バッティスタ」は、バッティスタは、ピニンファリーナの創業者、バッティスタ・ファリーナからの命名。 「フロントに堂々とfのエンブレムを掲げた初のクルマです」と、アウトモービリ・ピニンファリーナのパオロ・デラッチャCEOは、発表会場の在日イタリア大使館(東京・三田)で誇らしげに語りました。 内容はとにかくすごい。ホイールイン・モーターといって、4つの車輪にモーターがひとつずつの全輪駆動。従来は機械式の差動装置などを使っていましたが、モーター出力の制御で、車両の挙動をコントロールしています。 今回このバッティスタに、箱根で試乗しました。全長4912mm、全高1214mm、全幅2240mmと、かなり低い車体で、ドアは前ヒンジで上に跳ね上がる、いわゆるシザー(ハサミ)タイプ。
箱根ターンパイクを貸し切って試乗! 世界150台限定生産
車内は、レースカーのようにタイトで、まさに“着る”かんじ。液晶モニターがいくつもあって、車両の設定を行います。ドライブモードによって、面白いようにクルマのキャラクターが変わります。街中で快適に走るためのモードもあれば、サーキットでタイムアタックするのにぴったりなモードも、という具合。 箱根では、高速コーナーが連続する箱根ターンパイクをなんとぜいたくにも貸し切りにして、1台だけの占有試乗でした。同乗したインストラクター(レーシングドライバーのケイ・コッツォリーノ氏)が、ストレートにさしかかったときは「床までアクセルペダルを踏んでみて」とか、コーナーに進入したときは「ここでもっと強く踏んで」とか、アクセルペダルの踏み具合を指示してくれました。 ストレートではジェット機のような加速感です。自分が操縦しているのに、離陸するんじゃないかって怖くなるぐらい。 コーナリングでは、車載コンピューターが、アクセル開度とか横Gのかかりかたとかから、ドライブしている私のクセを学習して、トラクションコントロールなどを調整。私の能力の範囲で最大限のタイムをたたき出せるよう介入するので、「速いし、かつ安心」(コッツォリーノ氏)とのことでした。 150台限定生産とのことで、オーダーが入ると、ピニンファリーナのデザイナーと綿密な打ち合わせをしながら、車両を仕立てていくことになるそうです。