秋に食中毒増加なぜ? 「ノロウイルス」 感染は主に「人」から… コロナ後は感染対策に緩みも 【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
16日のギモンは「なぜ秋に食中毒増加?」です。
食中毒は夏や梅雨の時期に気をつけているという人も多いと思いますが、寒くなったから安心だと油断してはいけません。 神奈川県横浜市にある焼き肉チェーン「牛角」で今月7日、食中毒が発生しました。市内の学校関係者49人のうち、21人におう吐や下痢などの症状がみられたということです。 横浜市保健所は15日、この店を営業禁止処分にしました。 一方、静岡県西伊豆町では、特別養護老人ホームで「O157」による集団食中毒が発生しました。県によると、今月3日に昼食を食べた入所者と職員33人が症状を訴え、このうち2人が死亡しました。県はこの施設の調理部門に対して、15日から営業禁止を命じています。 食中毒の原因についてですが、牛角の方はまだ詳しいことはわかっていませんが、21人中8人からノロウイルスが検出されました。 老人ホームの方は「O157」で、こちらは特に気温が高い時期に多く発生するものです。一方、ノロウイルスは気温が低い時期に多いです。 ◇“寒いから”と油断は禁物 ◇怖いのはカキよりヒト
■「湿度」と「温度」 低い方がウイルスの生存期間が長く
ノロウイルスが冬場にどれだけ増えるのかみてみます。 2019年の患者数(厚労省による)を月別でみますと1月、2月、3月と12月の冬場に爆発的に増えています。この3年はコロナへの対策によって比較的、患者数が減っていた少し特殊な時期でした。今年は感染対策もゆるむ傾向にあるだろうということで、より警戒が必要だと思っています。
では、どうして冬場に増えるのかみていきます。これはノロウイルスの特徴が要因です。このウイルスが好むものが「乾燥」と「低温」です。湿度・温度ともに低い方が、ウイルスの生存期間が長くなるそうです。 そしてもう1つ、特徴として「感染力が非常に強い」というのがあります。感染したら苦しんだという話もよく聞くと思います。家族の1人が感染すると、ほかの家族に広がってしまうこともよくあることです。つまり、ノロウイルスは冬こそ気をつけるべきウイルスといえます。