鈴木千裕（右）の代役でパッキャオ戦が決まった安保瑠輝也（左）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　格闘技イベントのRIZINは28日、都内で7・28「超RIZIN3」に関する緊急会見を開き、ボクシングの元世界6階級制覇王者マニー・パッキャオ（45＝フィリピン）の対戦相手が元K―1　WORLD　GPスーパーライト級王者安保瑠輝也（28＝MFL　team　CLUB　es）に変更となったと発表した。3分3Rで契約体重は69キロ。 　当初はRIZINフェザー級王者、鈴木千裕（25＝クロスポイント吉祥寺）との対戦が発表されたが、鈴木が23日に国立代々木競技場第二体育館で行われた五味隆典（45＝東林間ラスカルジム）とのボクシングマッチで右手を負傷。人差し指、小指の2箇所を骨折し全治4カ月と診断されドクターストップがかかった。RIZINはかねてからパッキャオとの対戦をアピールしていた安保瑠輝也にオファーを出したところ、「二つ返事だった」（榊原CEO）と承諾の回答を得て対戦が決定した。 　榊原信行CEOは「（五味戦は）そんなに大きなケガを負う試合になるとは考えていなかった。残念ではありますが、ケガを負った状態で鈴木選手をパッキャオの前に立たせるわけにはいかない。断腸の思いでしょうが、本人も受け入れました。しっかりと直してベストな状態で戻ってきてほしい」と説明。同席した鈴木は「試合を楽しみにしていたファンの方がいてくれたので、ファンの皆さんすいません。そして代打を務めてくれた安保選手、ありがとうございます」と沈痛な表情でコメントした。 　急きょ代役を引き受けることになった安保は「急にこんなむちゃくちゃ大きいチャンスが巡ってきて、とてもビックリしているしワクワクしています。怖さはないです」と目を輝かせる。続けて「鈴木選手の無念の気持ちも俺が背負って。パッキャオ選手はめちゃくちゃ強いと思います。でも本気で勝つ気で挑もうと思います。あと1カ月なので自分ができるところまで仕上げていきたい。キックボクシングとは違う技術も必要で、今そこをチューンナップしています」ときっぱり。会見終了後には鈴木と拳を合わせ「俺がさいたまスーパーアリーナの天井に穴が開くくらいの稲妻を落とすので」と意気込んだ。 　▼マニー・パッキャオ　対戦相手が変わったと聞いたが、もちろんノープロブレムだ。ファイターにケガはつきものだから、チヒロにはお大事にと伝えてくれ。新しく名乗りを上げてくれたルキヤ・アンポよ、私を恐れずに名乗りを上げてくれたことに感謝したい。君にはボクシングが崇高で、ファンタスティックで、そして何よりも難しいことを教えよう。7月28日を楽しみにしている。 　◇安保瑠輝也（あんぽ・るきや）1995年（平7）10月29日生まれ、兵庫県出身の28歳。幼少の頃より弟・紅とともに空手で活躍。小5でグローブ空手に転向。12年8月のKrushでプロデビュー。第4代K―1　WORLD　GPスーパー・ライト級王者に輝く。23年5月にRIZIN初参戦し、元K―1王者のブアカーオ・バンチャメークと引き分け。同年大みそかにはMMAに挑戦するも久保優太に一本負けを喫した。1メートル80　70キロ